研究課題
【研究1】自殺リスク等の精神不調を伴う思春期の若者の援助希求行動を妨害/促進する要因の同定【研究2】思春期の若者の自殺リスクと関連し、かつ若者が答えやすい/周りが判別しやすい要因・指標の同定〈アンケート調査〉既に蓄積されている横断データを解析、論文執筆中。また自殺リスクを多変量活用により特定するため、機械学習を活用してリスク分類器の構築を進めている。縦断データについては、2018年6月に調査実施済み。2019年度調査を6月に実施。11年分の縦断データが収集されることになり、データ解析を進めている。〈受診患者の調査〉帝京大学医学部の倫理委員会の承認を得て、カルテの精査を進め、解析を進めている。【研究3】タブレット端末を活用した若者の精神不調スクリーニングツールの開発と有用性の検証新潟県教育委員会からの要請があり、2018年は県立高等学校10校への導入と研究実施を行なった。2019年度以降の3年以内で全県高等学校および中等教育学校、一部私立学校での実施が決まった。2018年度実施校から得られたデータを解析し、高校生の自殺リスク要因の検討を行い論文執筆中である。さらに、埼玉県T市教育委員会からの要請により、定期健康診断での全校生徒への精神保健スクリーニングを実施した。その結果、学校教員が気づいていなかった精神不調・自殺リスクが明らかになり、事後対応に繋がった例が複数件あった。以上の実施を円滑に進めるため、実施学校教員向けの研修会を数回実施し、また、ツールの目的や使い方を説明する映像教材や冊子を作成して学校教員の理解を助け、適切な実施を行うための工夫を行なった。1-3の他、若者の自殺に関わるいじめの実態調査および防止教育プログラムの検証を行なった。既に協力関係にある小学校での授業実施と授業の前後、3ヶ月後の実態調査行い、開発を進めているプログラムの効果を検証しているところである。
2: おおむね順調に進展している
2018年度の研究実施により、上記の通り一定の成果が挙げられた。特に【研究3】では2018年度の実施により、児童生徒の精神不調や自殺リスクの発見、早期の支援に繋げる助けができたことは特筆すべき成果である。学校および教育委員会からの評価も得て、研究実施学校の拡大(特に新潟県では全県実施)が決まったことは、大きな進展であると考える。一方で、論文執筆にまで十分に手が回らなかったことは反省点である。次年度は、得られたデータを解析し論文執筆に注力する。
学校での調査研究については、2019年度以後の大規模な調査に耐えられるシステムの改良・開発を続けつつ、日々得られるデータを解析し、若者の自殺リスク予測指標の構築を目指す。そのために、指標の精度検証を行い、論文執筆を行う。医療機関での救急受診患者のカルテ解析を進め、より緊急度の高い患者において自殺企図と関連する諸要因の検討を進める。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (3件)
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