| 研究課題/領域番号 |
17J08728
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
梅村 麦生 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD) (70758557)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-26 – 2020-03-31
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| キーワード | ニクラス・ルーマン / 時間の時間化 / 時間の社会学 / 社会システム理論 / 現象学 / 知識社会学 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題「『時間の社会学的な時間化』のプログラム――ニクラス・ルーマンの多元的な時間論から」の実施初年度である平成29年度は、まず社会システム理論の時間論に関わるニクラス・ルーマンの論文・著作、関連する先行研究および二次文献について、詳細な文献リストを作成し、文献の収集と講読を行った。資料収集に関しては、図書購入とオンライン閲覧に加えて、京都大学附属図書館、神戸大学附属図書館を利用し、所蔵資料および国内外の図書館からの取り寄せによって閲覧・収集した。また冬期（2018年2月5-12日）にビーレフェルト大学社会学部附属図書館を訪問し、近年公刊されたルーマンの一次文献および二次文献、またドイツ語圏の社会学理論と社会学史に関わる情報収集と資料収集を行った。特にルーマンの膨大な著作群の中から、時間論に関わる18文献に絞り、検討を始めた。
まずルーマンの時間論について、主に（１）組織の時間、（２）意味の時間、（３）社会システムの時間、（４）時間ゼマンティクの四つの領域から構成されていることがわかった。 その中で、組織論の時間研究、現象学、ラディカル構成主義、知識社会学および概念史による時間論が参照されており、とりわけ組織論の時間に関する知見がルーマンの社会システム理論による時間論の基調にも影響を与えていることが確認できた。
以上で検討した内容については、現時点での研究成果として日本社会学会第90回大会（2017年11月4-5日、東京大学）にて研究発表を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ルーマンの時間論に関わる論文、著作のリスト作成と文献収集に関しては、十分に実施することができた。加えて、現時点でのルーマンの時間論に関する先行研究についても、広く収集することができた。以上の諸文献を講読し検討する中で、組織論の時間研究、現象学、ラディカル構成主義、知識社会学および概念史による時間論が参照されており、とりわけ組織論の時間に関する知見がルーマンの社会システム理論による時間論の基調にも影響を与えていることが確認できた。キーワードを挙げると、組織論から「時間圧力」、現象学から「時間化」、概念史や知識社会学から「非同時的なものの同時性」、そしてラディカル構成主義とシステム理論から「作動時間と観察時間」の区別という考え方を取り入れており、それらの考え方をつなぐ要素として「出来事」の概念が重視されていることがわかった。
研究成果については、当該テーマに関する研究論文を執筆中であり、次年度の公刊を目指している。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、社会システム理論と現象学における「同時性」というテーマに関わるルー
マンの論文・著作、関連する先行研究および二次文献の講読を行い、ルーマンの時間論を
社会システム理論と現象学の側面を対比させながら検討する。加えて、ドイツ語圏での追加の資料収集と専門家へのヒアリングを予定している。
研究成果の公表については、当該テーマに関わる研究論文の執筆・専門誌への投稿と、翻訳論文の紀要での公刊、社会学系学会での複数回の報告を予定している。
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