研究課題
本年度は、前半がオーストリアでの調査研究、後半がこれまでの研究結果のまとめとしての博士論文執筆である。1. ウィーンでの調査、研究:2019年4月から9月にかけて、オーストリアのウィーン工科大学にて、現地やヨーロッパ全体の高齢者に関する研究の状況に関する調査研究を実施した。その結果、オーストリアにおける街づくりの基準や外部空間に関する設計基準等を得ることができた。また、実際に駅や商業施設等不特定多数が利用する公共建築物では、高齢者や視覚障害者等に対して配慮された構造となっていることを確認した。ウィーンで得られた研究結果は、本年までの研究と合わせて博士論文の一部(第6章)に加えた他、昨年度実施した東大病院入院患者の退院後の住宅改修の状況に関する研究結果をまとめて日本建築学会の学会誌(日本建築学会計画系論文集)への投稿も行なった。2. 日本に帰国後の研究実施状況:帰国後は、これまでの特別研究員としての研究をまとめて、博士論文の執筆として研究結果をまとめた。タイトルは「転倒骨折を経験した高齢者の居住継続に関わる建築計画研究」で、全6章からなる。研究内容は、初年度、次年度で進めた福岡県大牟田市における救急活動記録票の分析(第3章)と、東大病院における大腿骨近位部骨折を経験した高齢者患者の病院での調査(第4章)及び自宅訪問調査の分析結果(第5章)を含んでいる。また、博士論文執筆と同時に、上記の学会論文の修正を行なった。本論文は博士論文の第4章の一部を構成するため、博士論文の審査会における修正要求なども考慮しながら修正を進めた(2020年4月に受理、タイトルは「転倒・大腿骨近位部骨折で入院した高齢者の環境移行事例から見た多職種による建築的な転倒予防対策の検討 <1>: 自宅内の転倒原因となる建築的要因の解明」)。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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