研究実績の概要 |
本年度は、博士論文の執筆に注力した。博士論文では、国際人口政策が、開発途上国の人口政策及び家計の資源配分に与える影響について、家族規模の決定とその要因、避妊法の選択とそれが生産・再生産活動に及ぼす影響を中心に包括的にまとめ、『Fertility Transition, Family Function, and Resource Constrains in Sub-Sahara Africa: A Case Study of Rwanda』(日本語タイトル:サブ・サハラアフリカにおける出生力転換と家族機能、資源制約:ルワンダ共和国を事例に)として提出し、2020年3月に学位を取得した。 また、2019年11月にウガンダ共和国のエンテベにて行われた第8回アフリカ人口学会(APC: African Population Conference)にて口頭発表を行った。再生産活動領域における女性の役割が、家族制度など、社会経済制度の変容により外部化している点について報告し、当該分野の研究者から建設的なフィードバックを得るとともに、将来の共同研究の可能性について、議論を進めることができた。報告後は、日本から参加した研究者と当学会の報告書を共著で執筆した。研究員は、主に参加した、家族計画や、セクシャル・リプロダクティブヘルスセッションについて紹介し、まとめた。本稿は、研究員が所属する日本アフリカ学会の学会誌である『アフリカ研究』に掲載予定である。 年度末には、ルワンダに渡航し、調査参加者、各関係省庁、大学機関などに対して、研究成果の共有およびフィードバックを実施する予定であった。特に、ルワンダの国立医療機関から調査結果の共有を依頼されており、その準備を進めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、渡航を中止せざるを得なくなった。現在は、デジタル、オンラインなどで共有する方法を模索している。
|