研究実績の概要 |
本研究ではFloating Zone法を用いて、これまであまり着目されていなかったHf、Ta、Wなどの重元素を構成元素とする酸化物の単結晶育成を行い、新たな重元素系シンチレータを開発することを目的とする。本年度は高い実効原子番号を有しているが、高融点のためほぼ検討がなされていなかったHf系酸化物単結晶に着目して検討を進めた。RE2Hf2O7 (RE=La,Gd,Lu) についてキセノンランプ集光式Floating Zone法を用いて結晶育成を試みたところ、無色透明な単結晶が得られた。全てのサンプルは単相を示しており、イオン半径の増加 (Lu→Gd→La) とともにわずかに粉末X線回折における低角シフトが観測されている。これらのサンプルにX線を照射することでLa2Hf2O7では440 nm、Y2Hf2O7およびGd2Hf2O7では500 nm付近にブロードな発光が観測された。作製したサンプルの中ではLa2Hf2O7単結晶が最も高い発光量子収率およびシンチレーション発光強度を示した。この組成について同族元素置換を行うことにより酸素欠陥発光の増大に成功した。
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