研究課題
平成30年度においては、信頼の神経基盤を明らかにするために、OXTR rs53576と一般的信頼の関連に関与している脳領域を安静時機能的結合という手法を用いて明らかにしようとした。安静時機能的結合の解析に用いる脳領域はHuman Connectome Project pipeline(HCP)で設定した。HCPは脳の大脳皮質を片側180領域、両側360領域に細かく分割する脳の分割法である。今回の分析では、辺縁系を含まない大脳皮質領域のみで分析を行った。OXTR rs53576と一般的信頼の交互作用が見られる領域を検討した結果、左前頭極を中心として左右の前帯状皮質、後帯状皮質、上側頭溝との結合が見られた。多型をGG群とAA・AG群、一般的信頼を低群、中郡、高群に分けて再度分析を行ったところ、左側頭極を中心とした全領域間の結合においてGG群で一般的信頼が高いほど機能的結合が弱いことが明らかになった。一方で、AA/AG群では一般的信頼による機能的結合の違いは見られなかった。また、性差はみられなかった。本研究の結果は、国内外の学会において発表を行った。平成29年度に行った研究成果である、OXTR rs53576と一般的信頼の関連は扁桃体の体積が媒介しているという結果に関しては、今年度にSocial cognitive and affective neuroscienceに代表者を筆頭著者として受理され掲載された。また、この結果を基に博士論文の作成を行い玉川大学の審査を経て受理された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Social Cognitive and Affective Neuroscience
巻: 13 ページ: 1091-1097
doi.org/10.1093/scan/nsy075