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2018 年度 実績報告書

多元的無知状態で規範が維持されるメカニズムの解明ー社会の流動性に着目してー

研究課題

研究課題/領域番号 17J09698
研究機関東京大学

研究代表者

岩谷 舟真  東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2019-03-31
キーワード多元的無知 / 評判 / 流動性 / 包摂性 / 規範
研究実績の概要

本研究の目的は、多元的無知状態が維持されるメカニズムを検討することである。平成29度は社会の流動性に着目した上で、流動性の低い社会において多元的無知が生じやすいことを確認した。平成30年度は、個人レベルの流動性に着目した検討を行った。具体的には、同じ流動性の社会環境においてもそれを活用できる者とそうでない者がいると想定し、活用できない者ほど多元的無知状態で規範に従う可能性を検討した。
1つ目の研究では日本の会社員を対象にしたオンライン調査のデータを分析し、個人レベルの流動性が低い者のみ「他者は自分よりも規範逸脱を低く評価する」と予測していることを解明した。本研究の結果から、多元的無知状態において、個人レベルの流動性が低い者ほど逸脱に伴う評判低下可能性を高く見積もり規範に従う可能性が示唆された(この結果は、2019年7月開催の国際学会(アジア社会心理学会)にて発表を行う予定である)。
さらに2つ目の研究では、個人レベルの流動性の高低に影響を与える要因として、個人の持つパフォーマンスの高さに着目し、別途実施済の2種類の企業調査データに対して再分析を行った。結果、パフォーマンスが高い者(人事に優秀と評価されている者)ほど流動性の活用(転職)を試みていることが分かった。さらに、この傾向は包摂性の風土の低い場合に顕著に見られ、パフォーマンスが高い者ほど個人レベルの流動性が高いことが示唆された。この結果は「日本心理学会第82回大会」にて発表されており、現在学術論文として投稿中である。
その他、昨年度までに完了した研究について「2018年度日本社会心理学会論文賞(奨励論文賞)」と「2018年度日本グループ・ダイナミックス学会優秀論文賞」を受賞し、年度末にはこれまでの多元的無知に関する一連の研究成果をまとめた博士論文を東京大学大学院人文社会系研究科に提出し、博士(社会心理学)の学位を授与された。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Social mobility and the fear of bad reputation.2018

    • 著者名/発表者名
      Iwatani, S., Takahashi, K., & Muramoto, Y.
    • 学会等名
      The 29th International Congress of Applied Psychology
    • 国際学会
  • [学会発表] 多元的無知の維持メカニズム 逸脱者罰と関係流動性に着目して.2018

    • 著者名/発表者名
      岩谷舟真・村本由紀子・小泉喜之介・芹澤鮎子・栗本真奈.
    • 学会等名
      日本社会心理学会第59回大会
  • [学会発表] 個人の社会的価値と流動性の関係、および組織風土の調整効果.2018

    • 著者名/発表者名
      岩谷舟真・正木郁太郎・村本由紀子.
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会

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公開日: 2019-12-27  

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