本研究課題は、ヒトを含む霊長類において、同種や他種の他者をどのように認識しているかを探ることを目的としている。平成29年度は、人間の6か月齢児、12か月齢児、成人を対象とした認知実験に着手し、予定していた半分以上のデータを収集した。現在までのデータを用いた予備分析では、当初の仮説に合致する傾向が得られている。また、今後ロボットを用いた実験研究を行うために、他大学の研究者と繰り返し打ち合わせを行い、ロボットの開発を進めている。さらに、霊長類の親密さをどのように評価すればよいか、霊長類の行動研究においてロボットをどのように利用できるか、といった当該の研究課題に関する問題について情報を収集し、計2編の総説論文を執筆し、国内学術雑誌『霊長類研究』に掲載、あるいは掲載予定である(こちらは4月に受理通知を受けた)。また、申請者が昨年度までに行った研究成果を2編の論文にまとめ、国際学術雑誌に投稿し、うち1編は平成30年5月に受理されている。
|