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2017 年度 実績報告書

大型二次電池正極用フッ化鉄・酸化フッ化鉄系材料の中温作動による高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 17J09968
研究機関京都大学

研究代表者

田和 慎也  京都大学, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2019-03-31
キーワード二次電池 / イオン液体 / コンバージョン
研究実績の概要

本年度はフッ化鉄(III)系材料に関して研究を行った。
まず90℃のイオン液体中におけるフッ化鉄(III) (FeF3)のリチウム二次電池用正極材料としての充放電挙動について調べた。一般的に室温の有機溶媒電解液中において確認される大きな放電過電圧が、90℃のイオン液体中において低減でき放電電位を向上させることができた。充放電した後の電極を分析することで、室温の有機溶媒電解液中と同様の反応が90℃のイオン液体中で起こっていることが確認された。このことから、室温の充放電で特に問題とされるコンバージョン反応の過電圧が90℃の中温作動により改善できることが確認できた。
次に90℃のイオン液体中においてナトリウム二次電池用正極材料としてNaFeF3の充放電挙動を調べた。まずNaFeF3を固体原料のメカニカルミリング混合と加熱処理により合成した。結晶性の高いなFeF3が合成でき、その充放電挙動を調べた。その結果、室温で充放電する場合と比較して、90℃のイオン液体中において充放電の過電圧を大きく低減することができた。また室温においては理論容量の70%程度の容量しか得られなかったのと比較して、90℃のイオン液体中において理論容量の90%以上の容量が得られ、中温作動による性能向上が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、フッ化鉄のみでなく酸化フッ化鉄の合成を行い、そのイオン液体中における中温作動特性を調べる予定であった。しかし、固体原料のメカニカルボールミル混合や加熱処理により酸化フッ化鉄の合成を試みたが成功していない。

今後の研究の推進方策

固相反応で酸化フッ化鉄の合成が成功していないことから、酸化フッ化チタンの合成で報告例のある液相における酸化フッ化鉄の合成を試みる。
酸化フッ化鉄もフッ化鉄系材料と同様に充放電過電圧が大きいことが知られている。酸化フッ化鉄の合成が成功し次第、90℃の中温作動における充放電挙動を調べ、過電圧の低減や反応機構に注目して研究を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 中音域における知リウム二次電池用フッ化鉄系材料の充放電機構2018

    • 著者名/発表者名
      田和慎也、松本一彦、萩原理加
    • 学会等名
      電気化学会第85回大会
  • [学会発表] FeF3正極の中温イオン液体中における充放電挙動2017

    • 著者名/発表者名
      田和慎也、松本一彦、萩原理加
    • 学会等名
      化学電池材料研究会第19回ミーティング
  • [学会発表] 中温イオン液体中におけるフッ化鉄(III)正極の充放電挙動2017

    • 著者名/発表者名
      田和慎也、松本一彦、萩原理加
    • 学会等名
      第40回フッ素化学討論会
  • [学会発表] フッ化鉄(III)聖正極のイオン液体中における中温作動2017

    • 著者名/発表者名
      田和慎也、松本一彦、萩原理加
    • 学会等名
      第58回電池討論会

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公開日: 2018-12-17  

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