研究課題
本研究の目的は、高速・大容量通信を可能にするとされるシリコンフォトニクス技術においてボトルネックとなっているレーザー光源を開拓することである。Si基板上に直接集積することができ、光通信波長帯において発光するGeが発光材料として有望視されているが、これまでに報告されているGe発光素子(レーザー)は動作エネルギーが理論値よりも二桁程度大きく、実用化には程遠いものであった。この理由として、Si基板上に集積されたGeには内部及びSiとGeの界面付近に非常に高密度に欠陥が存在し、その欠陥によって発光効率が著しく低下するためと考えられてきた。本研究では平成29年度までにGe中の欠陥(貫通転位)の密度を低減するために逆リブ構造(SiとGeの界面付近に部分的に空隙をもつ構造)が有用であることを報告してきた。平成30年度は、逆リブ構造による貫通転位密度の低減効果を、理論モデル・貫通転位密度測定及び透過型電子顕微鏡観察により実証した結果を学術論文において発表した。加えて、SiとGeの界面において発光を大きく妨げる機構が働くこと、及びGeの表面を酸素雰囲気中で熱処理することでGe表面における光損失が著しく低減されることを実験的に示し、国際学会及び学術論文にて発表した。逆リブ構造と酸素雰囲気中での熱処理によって発光効率が増大したと期待されるGeを用いて発光素子の試作を行い、試作した素子からの発光を測定した。レーザーとしての動作を確認することはできなかったが、逆リブ構造のない、従来構造のGeと比較して良好な発光特性が見られ、高効率Geレーザーの実現に向けた進歩が見られた。この結果は学術論文において発表した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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