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2017 年度 実績報告書

コラーゲン線維化プロセスを制御する蛋白質の機能解明と新規制御法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17J10207
研究機関東京大学

研究代表者

田島 卓実  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2019-03-31
キーワードI型コラーゲン / Osteomodulin / 蛋白質-蛋白質間相互作用 / 線維形態制御 / 計算科学 / KOマウス
研究実績の概要

本研究は、I型コラーゲンの線維形態を制御するOsteomodulin(OMD)とコラーゲンの詳細な相互作用解析から、制御機構を記述することを目的とした。そしてその知見に基づき、生体内外における線維の人工制御法の確立を最終ゴールとした。当該年度においては計算科学(in silico)や生化学実験(in vitro)、動物実験(in vivo)を用いることで、OMDによる線維形態の制御機構を包括的に明らかにすることに成功した。
[In silico & in vitro] 計算化学を用いたドッキングシミュレーションにより、OMDに結合するコラーゲンの候補配列を抽出することに成功した。さらに、その領域に結合することが既知の蛋白質とOMDのコラーゲンに対する競合アッセイを行った結果、競合的にコラーゲンに結合することがわかり、シミュレーションの結果をin vitroの系から支持することに成功した。このことから、OMDは特定の領域のコラーゲンに結合することで線維形態を制御していることを示唆した。
続いて、OMDを添加して形成されたコラーゲン線維に温度刺激を加え、その構造・物性を電子顕微鏡、円偏光二色性スペクトル、濁度計により解析した。その結果、OMD添加により安定な線維構造が形成されることがわかった。OMDは線維形態だけではなく、精密な線維構造の形成、つまり“質”の制御を行っていることが明らかとなった。
[In vivo] マウスの骨コラーゲンで明瞭な結果を得ることに成功した。具体的には野生型とOMD欠損マウスの骨コラーゲンの線維幅を解析した結果、有意に異なることを示した。OMDは骨に発現する蛋白質であるため、本結果は生体内のOMDの機能を示していると考えられる。
以上から、OMDはin vivo/vitroでコラーゲン線維を制御することを明らかにし、その制御機構の解明に大凡成功した。

現在までの達成度 (段落)

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

今後の研究の推進方策

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Molecular basis for governing the morphology of type-I collagen fibrils by Osteomodulin2018

    • 著者名/発表者名
      Takumi Tashima , Satoru Nagatoishi, Jose M.M. Caaveiro, Makoto Nakakido, Hiroshi Sagara, Osamu Kusano-Arai, Hiroko Iwanari, Hitomi Mimuro, Takao Hamakubo, Shin-ichi Ohnuma and Kouhei Tsumoto
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 1:33 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1038/s42003-018-0038-2

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Weak electrostatic interaction of an extracellular matrix protein plays a key role in a shape-control of collagen assembly2017

    • 著者名/発表者名
      Takumi Tashima, Satoru Nagatoishi, Jose Caaveiro, Makoto Nakakido, Hiroshi Sagara, Hitomi Mimuro, Shin-ichi Ohnuma, Kouhei Tsumoto
    • 学会等名
      第17回 日本蛋白質科学会
  • [学会発表] 細胞外蛋白質 Osteomodulin の弱い静電的な力がコラーゲン線維の形態制御を担う2017

    • 著者名/発表者名
      Takumi Tashima, Satoru Nagatoishi, Jose Caaveiro, Makoto Nakakido, Hiroshi Sagara, Hitomi Mimuro, Shin-ichi Ohnuma, Kouhei Tsumoto
    • 学会等名
      第11回バイオ関連科学シンポジウム
  • [学会発表] Osteomodulin (OMD) regulates diameter and shape of collagen fibrils by electrostatic interaction2017

    • 著者名/発表者名
      Takumi Tashima, Satoru Nagatoishi, Jose Caaveiro, Makoto Nakakido, Hiroshi Sagara, Hitomi Mimuro, Shin-ichi Ohnuma, Kouhei Tsumoto
    • 学会等名
      Collagen, Gordon Research Conference
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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