研究課題
Ti-6Al-7Nb合金 およびCo-29Cr-6Mo合金と,低磁性合金であるZr-14Nb合金を用いて,直径3 mm,長さ25 mmの円柱状試料と,体積の異なる球状試料(直径7.9 mm,9.5 mm,11.1 mm,12.7 mm)を切削加工により製作した.円柱状試料は各合金の磁化率測定に用い,測定には磁気天秤を使用した.球状試料は,硝酸Ni混合寒天を満たした130 mm ×168 mmの容器中央部に固定し,MRI撮影を行った.撮像条件はTurbo spin echo (TSE)及びGradient echo(GRE)の,2種類の撮像シークエンスを用いた.得られた画像は画像ソフト (Osirex)を用いて画像解析を行った.画像上で,アーチファクトの最外縁の接線に接する 円形ROI (Region Of Interest :関心領域)を4か所設定し,それらの信号強度の平均値をback ground の基準値とした.続いてASTEM2119に基づき,得られた平均値の70 % 以下,130 % 以上の信号強度をアーチファクト領域とし,算出試料の体積を差し引いて,純粋なアーチファクトの体積を算出した.アーチファクト分析の結果,アーチファクト範囲は試料の重量,体積および磁化率に比例して大きくなることわかった.また,磁化率の大きな金属程比例定数は大きくなり,試料の体積が大きくなるほど,磁化率がアーチファクト範囲に及ぼす影響が大きくなることがわかった.また,アーチファクトの範囲は体積磁化率に比例することがわかった.本研究から,試料の磁化率及び質量が分かればアーチファクト範囲の予測が予め可能であることが示唆された.
2: おおむね順調に進展している
おおむね順調にデータが得られ、国際学会で発表することができた。
Zr合金に圧延加工を施し組織変化や機械的性質への影響を評価していく予定である。
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Materials Letters
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Materials Science and Engineering: A
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