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2019 年度 実績報告書

粉末積層造形法による低磁性Zr合金の高機能バイオマテリアル創製

研究課題

研究課題/領域番号 17J10345
研究機関日本大学

研究代表者

加嶋 祐佳  日本大学, 歯学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2021-03-31
キーワードZr合金 / 低磁性
研究実績の概要

Zr合金の磁性とMRI撮像時のアーチファクトへの影響の評価を行い,Co-Cr合金やTi-6Al-7Nb合金との比較を行った.撮像条件はTurbo spin echo (TSE)及びGradient echo(GRE) の,2種類の撮像シークエンスを用いた.得られた画像は画像ソフト (Osirex)を用いて画像解析を行った.画像上で,アーチファクトの最外縁の接線に接する 円形ROI (Region Of Interest :関心領域)を4か所設定し,それらの信号強度の平均値をback ground の基準値とした.続いてASTEM2119に基づき,得られた平均値の70 % 以下,130 % 以上の信号強度をアーチファクト領域とし,算出試料の体積を差し引いて,純粋なアーチファクトの体積を算出した. アーチファクトの範囲は同一体積下ではCo-Cr合金の約9分の1、Ti-6Al-7Nb合金の約3分の2程度まで減少させることが可能であった。アーチファクト分析の結果,アーチファクト範囲は試料の重量,体積および磁化率に比例して大きくなることわかった.また,磁化率の大きな金属程比例定数は大きくなり,試料の体積が大きくなるほど,磁化率がアーチファクト範囲に及ぼす影響が大きくなることがわかった.また,アーチファクトの範囲は体積磁化率に比例することがわかった.つまり,アーチファクトの範囲は磁化率だけでなく,試料の重さの影響を顕著に受けるため,同じ体積の試料であれば磁化率が小さいことに加えて,密度の小さな金属であればよりアーチファクト範囲を抑えることができる.本実験で得られたアーチファクト範囲と質量の関係および, アーチファクト範囲と体積磁化率の関係は有意な線形相関が得られ,試料の磁化率及び質量が分かればアーチファクト範囲の予測が予め可能であることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

妊娠出産と育児の影響によりやや遅れが見られるが、Zr合金の粉末化やレーザー溶融ビートの解析、MRIアーチファクト範囲の分析を行うことができた。またMRI撮像時のアーチファクト範囲と試料の質量の関係性を表す公式を求めることができ、この計算式から今後開発した金属の磁化率と質量が予め分かればMRI撮像を行わなくてもアーチファクト範囲の予測が行える可能性が見いだせたため、一定の実験成果は得られたと考える。

今後の研究の推進方策

Zr合金の耐食性評価を進める。耐食性試験は、溶出試験 (JIS T 0304)及びアノード分極試験 (JIS T 0302)を用いて評価する予定である。また、熱処理(700℃~1200℃の温度で1時間または2時間保持)を行った試料の組織、磁化率および機械的性質の解析を進める。引張試験ではダンベル状の試験片を用いて行う。JIS Z 2241の規格に沿行う。得られた応力―ひずみ曲線から、0.2 %耐力、最大引張強さ、伸び、弾性率を求める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of magnetic susceptibility and volume on MRI artifacts produced by low magnetic susceptibility Zr-14Nb alloy and dental alloys.2020

    • 著者名/発表者名
      Kajima Y, Takaichi A, Tsutsumi Y, Hanawa T, Wakabayashi N, Kawasaki A.
    • 雑誌名

      Dental materials journal.

      巻: 39 ページ: 256-261

    • DOI

      https://doi.org/10.4012/dmj.2018-426

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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