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2019 年度 実績報告書

ストレス記憶の再生が末梢機能に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17J10870
研究機関東京大学

研究代表者

中山 亮太  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2017-04-26 – 2020-03-31
キーワードストレス / 腹側海馬 / 記憶 / 電気生理学
研究実績の概要

動物は嫌悪的な出来事を経験すると、その記憶に基づいて忌避行動を起こすようになる。これを実現する脳メカニズムとして、嫌悪的な経験後の安静時・睡眠時に生じる「記憶の固定化」が重要であると考えられている。記憶の固定化には、海馬が重要な役割を果たすことが知られているが、そのほとんどは背側海馬で明らかとされてきた。しかし、腹側海馬は脳深部に存在するため、背側海馬と比較して神経活動を記録することが困難であり、これまで記憶の固定化における役割はほとんど調べられてこなかった。そこで本研究では、社会的ストレス記憶の固定化に腹側海馬が関与するか、関与するとすればどのような神経活動が記憶の基盤を担うかを明らかにすることを目的とした。社会的な情動記憶を形成する記憶学習課題として、社会的敗北ストレスを採用した。記憶を評価するため、翌日に社会的相互作用試験を行った。コントロール群と比較して、ストレス群ではメッシュケージからの忌避行動がみられた。薬物処置および光遺伝学を用いることで、この記憶形成に腹側海馬が必要であることを明らかにした。詳細な神経活動を調べるため、多細胞同時記録法を用いて個々の腹側海馬神経細胞の発火活動を記録・解析した。これによって、腹側海馬においては、ストレス経験後にリップル発生頻度が上昇し、記憶の固定化に寄与していること、間接ストレス中に発火率が上昇する神経細胞ほど、リップル中により発火しやすくなっていることを発見した。このことから、腹側海馬において、個々の神経細胞レベルで社会的ストレスによる嫌悪記憶の固定化が促進されていることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Social defeat stress causes selective attenuation of neuronal activity in the ventromedial prefrontal cortex2019

    • 著者名/発表者名
      Abe Reimi、Okada Sakura、Nakayama Ryota、Ikegaya Yuji、Sasaki Takuya
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-019-45833-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cortical-wide functional correlations are associated with stress-induced cardiac dysfunctions in individual rats2019

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Ryota、Ikegaya Yuji、Sasaki Takuya
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-019-47171-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Sniffing behaviour‐related changes in cardiac and cortical activity in rats2019

    • 著者名/発表者名
      Kuga Nahoko、Nakayama Ryota、Shikano Yu、Nishimura Yuya、Okonogi Toya、Ikegaya Yuji、Sasaki Takuya
    • 雑誌名

      The Journal of Physiology

      巻: 597 ページ: 5295~5306

    • DOI

      10.1113/JP278500

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of mental states based on peripheral organ activity2019

    • 著者名/発表者名
      Nakayama Ryota、Ikegaya Yuji、Sasaki Takuya
    • 雑誌名

      Folia Pharmacologica Japonica

      巻: 153 ページ: 161~166

    • DOI

      10.1254/fpj.153.161

  • [学会発表] Ventral hippocampus is necessary for consolidation of social defeat memory2020

    • 著者名/発表者名
      中山亮太、池谷裕二、佐々木拓哉
    • 学会等名
      第10回武田科学振興財団 薬科学シンポジウム
  • [学会発表] 社会的敗北ストレス経験の記憶固定化における腹側海馬神経活動2020

    • 著者名/発表者名
      中山亮太、池谷裕二、佐々木拓哉
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] 単一動物からの脳波の多領域計測と脳組織サンプル回収法の開発2019

    • 著者名/発表者名
      紺野大地、中山亮太、池谷裕二、佐々木拓哉
    • 学会等名
      第42回日本神経科学大会
  • [学会発表] 大脳皮質の機能的関連とストレス誘発性心拍変動の関連2019

    • 著者名/発表者名
      中山亮太、池谷裕二、佐々木拓哉
    • 学会等名
      第42回日本神経科学大会
  • [学会発表] The role of ventral hippocampus in social fear memory consolidation2019

    • 著者名/発表者名
      中山亮太、池谷裕二、佐々木拓哉
    • 学会等名
      第11回光操作研究会

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公開日: 2021-01-27  

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