研究課題
本研究では,学習中に隠れニューロン数及び隠れ層数を自動で増減する構造適応型深層学習法を開発した。平成29年度では,構造適応型深層学習法の基本的な学習アルゴリズムを構築し,具体的には,①時系列データの予測を実現するリカレント構造適応型学習方法を開発し,②深層学習に蓄積された知識をIF-THENルールとして抽出し,③ベンチマークテストや少数の実データを用いた評価を行った。平成30年度では,これまでに開発したシステムをベンチマークテストだけでなく,様々な種類のビックデータに適用し,手法の検証・改良を行った。具体的には,④単なる画像の分類だけでなく,画像の中の特定の部位の検出する物体検出アルゴリズムの開発を行った。深層学習では,R-CNN,YOLO,SSD等,畳み込みニューラルネットワークに基づく物体検出法が知られている。これらの物体検出法の考えを応用し,構造適応型学習法における新しい物体検出法を開発した。また,⑤開発した知識獲得手法において,深層学習における階層構造を考慮した上で知識を抽出することで,精度の改善を行った。さらに,⑥これらの手法を実世界に存在する様々なビックデータに適用し,手法の検証を行った。検証データとして胸部X線画像ベンチマークセットChestX-ray8(CXR8)や実際の検査機関から収集された医療検診データ等を用いた。④の物体検出手法は,CXR8に与えられている疾病(異常)箇所を既存の手法よりも高い精度で検出できた。また,医療検診データに対して⑤の手法を適用したところ,血液検査の異常と癌の進行に関する知識を発見できた。得られた知識の一部は,実際の診療所やクリニックのホームページ等で報告されているケースと一致するものもあった。今後は,開発した構造適応型学習法を様々な実データに適用し,実用化に関する研究を進めるとともに,性能の改善を行う。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Semantic Computing (IJSC)
巻: Vol.13, No.1 ページ: 67-86
10.1142/S1793351X1940004X
Neural Computing and Applications
巻: 印刷中 ページ: 1-16
10.1007/s00521-018-3622-y