研究課題
これまでの解析で、中脳神経細胞は DSCAM/RapGEF2/Rap1という共通の分子カスケードを細胞移動開始に必要とすることを明らかにしてきた。本研究課題では、DSCAMによる、脳室面からの脱上皮化がどのような分子機序によりなされるかについて解析をおこなった。これまでの研究において、中脳神経細胞が生み出される胎生期の半ばE13.5において、脳室面離脱時に形成される神経細胞の形態変化および終足の退縮が、Dscamにより制御されることを新規に明らかにした。またDSCAMの機能の下流で、RapGEF2/Rap1が不活化し、それによりN-cadherinの不安定化すること、接着面の N-cadherinが減少すること等が、神経細胞の脳室面離脱に必要であることが明らかとなった。これらの結果については、現在論文を投稿し、リバイス中である。また、RapGEF2はRapGEF6と重複する機能を有することが示唆されていたが、中脳神経細胞では、その局在を異にしており、機能的差異があることが新たに示唆された。さらに、RapGEF2とDSCAMは、膜分子の裏打ちとして機能するMAGI1と相互作用して3者複合体を形成し、MAGIの結合がRapGEF2の活性制御に重要であることを見出している。今後は、今後はDSCAMの神経細胞移動時の接着制御がどのような分子基盤により制御されているかを検証してゆく。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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