研究課題
本年度は、下記の事項について、研究プロジェクトの起ち上げの準備を進めた。●倫理審査委員会による研究計画の承認:本研究計画は、研究の実施機関である北里大学にて当大学医学部・病院倫理委員会の承認を得た。/●ウェブ事前調査(スクリーニング)システムの開発:参加者が適格基準を満たしているかどうかを確認するためのウェブ調査システムを作成した。/●行動実験において使用する単語刺激の選定―予備調査の実施―: 情動刺激のうち単語によるものは、先行研究を参考に選出された約1,200単語について健常者を対象に予備調査を行った。実施課題に応じて覚醒度・親密度・想起度・頻度を考慮し、否定・中性・肯定単語を選出した。/●使用する行動実験の決定 及び その実験プログラムの作成:最近の研究知見に関して文献調査を行い、認知バイアス緩和プログラム (CBM) のベースとなりうる計8つの行動課題に焦点を絞り、その実験プログラムを作成した。/●研究アシスタントの研修: 研究アシスタントを5名募り、一定の手続きで確実にデータを収集できるよう実験補助マニュアルを作成して研修会を行った。/●参加者リクルートの開始:予備的な検討も兼ねて、まずは非介入群に関するデータから収集を開始した。本年度に収集できたデータはN = 4である。また、核磁気共鳴画像 (MRI) の撮像も実施している。さらに、関連研究である注意バイアス緩和アプローチのランダム化比較対照試験の成果(その効果と神経作用機序)について英語論文を執筆、国際学術雑誌に投稿し、現在査読中である。また、認知バイアスと関連するといわれるコルチゾールと情動中枢・扁桃体との神経連絡についてまとめた英語論文を国際学術誌に発表した。さらに記憶機能とコルチゾール、そして脳機能連結性との関連について解析を行い、結果をまとめている。
2: おおむね順調に進展している
上記の通り、本年度は、研究の起ち上げにあたり必要な準備(実験環境や機材の確保を含む)を一通り完了できた。また関連する国際論文を2本執筆するとともに、もう1本の論文公開に向けて解析・結果のまとめを行っている。予想以上に発展しているとまでは言えない要因として、予備実験の参加者がさほど集まっていないことが挙げられる。
まず予備実験の参加者の確保が重要である。リクルートはさまざまな手段を通じて、幅広く行う(例:共同研究者の紹介、インターネット、地域情報誌等)。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 7 ページ: e8313
10.1038/s41598-017-08918-7
http://cbm.sakura.ne.jp/survey/