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2019 年度 実績報告書

グラフのハミルトン条件と計算量

研究課題

研究課題/領域番号 17K00018
研究機関日本大学

研究代表者

斎藤 明  日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードハミルトンサイクル / マッチング / 辺着色 / Gallai着色 / 2-因子
研究実績の概要

本年度は前年度に研究したマッチングの拡張可能性をグラフの辺着色に一般化し、またハミルトンサイクルをもつグラフの2-因子について研究を進めた。
グラフの辺に色を与えることを、そのグラフの辺着色とよぶ。各色についてその色を与えられた辺の集合がマッチングになるとき、その辺着色は辺彩色とよばれる。Gallaiはこの概念を拡張して、異なる色から成る長さ3のサイクルが存在しないような完全グラフの辺着色を考えた。これはGallai着色とよばれ、様々な性質を持つことが知られている。特に3以上の任意の整数nについて、位数Kが十分大きい完全グラフのGallai着色には、単色の辺から成る位数nの完全グラフが存在することが知られている。2015年にFoxらは、単色の位数nの完全グラフの存在が保証されるような最小のGallai着色の位数Kをnの関数として求める公式を予想した。本研究はこの予想について研究を進め、n=4の場合にFoxらの公式を肯定的に証明した。
一方ハミルトンサイクルを計算量の観点から調べるために、ハミルトンサイクルを持つグラフの2-因子の成分数を研究した。ハミルトンサイクルは1つの成分から成る2-因子と捉えることができる。そこでハミルトンサイクルの存在を仮定した場合に、他の成分数の2-因子の存在がどのように関わるかを調べた。その結果、任意の整数kについて、位数が十分大きい最小次数6以上のハミルトン線グラフには、成分数kの2-因子が存在することを証明した。この結果は、ハミルトンサイクルの存在を仮定すれば、他の成分数の2-因子が存在しやすくなることを示しており、2以上の整数kについて、グラフに成分数kの2-因子の有無を問うことと、ハミルトンサイクルの有無を問うことが同程度に難しいことを示唆している。
以上のように本年度の研究も本課題研究の目的の沿った多くの知見を得ることができた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] The University of Otago(ニュージーランド)

    • 国名
      ニュージーランド
    • 外国機関名
      The University of Otago
  • [国際共同研究] University of Strathclyde(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Strathclyde
  • [国際共同研究] 華東師範大学/中山大学/南開大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      華東師範大学/中山大学/南開大学
  • [国際共同研究] TU Bergakademie Freiberg(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      TU Bergakademie Freiberg
  • [雑誌論文] Pairs and triples of forbidden subgraphs and the existence of a 2-factor2019

    • 著者名/発表者名
      Aldred R. E. L.、Fujisawa Jun、Saito Akira
    • 雑誌名

      Journal of Graph Theory

      巻: 90 ページ: 61~82

    • DOI

      10.1002/jgt.22368

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Distance matching extension in star-free graphs2019

    • 著者名/発表者名
      Akira Saito
    • 学会等名
      27th. British Combinatorial Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Spanning bipartite subgraphs in graphs with large degree sum2019

    • 著者名/発表者名
      Akira Saito
    • 学会等名
      The Japan Conference on Discrete and Computational Geometry, Graphs, and Games
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Chorded cycles in dense graphs2019

    • 著者名/発表者名
      斎藤 明
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会
  • [学会発表] Implications in rainbow forbidden subgraphs2019

    • 著者名/発表者名
      Akira Saito
    • 学会等名
      42nd. Australasian Conference on Combinatorial Mathematics and Combinatorial Computing
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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