研究課題
本年度は,平面上を移動できるロボット群がどこかの点に収束する問題について研究した.考察対象のロボットは,識別子を持たず,観察により他ロボットの位置を認識でき,自由な方向に好きな距離だけ移動できる.そして,ロボットたちは,この観察から移動までの処理を同期して行う.この問題においては,ロボットの初期位置は任意であり,その初期位置から移動することによって,目標の数以下の点に収束することが目的である.平面上のロボットの位置の集まりを一つの状況と捉え,それをグラフ中の頂点に対応づける.すると,ある時刻の状況から次の時刻の状況への変化は,グラフ中の有向辺で表すことができる.そのためロボット群の移動に伴う状況の変化の列を,グラフ中の点列で表現できる道と捉えることができる.ロボットたちは毎時刻動けるわけではなく,ある種のスケジュールに従って,起動し移動を行う.そのため,ロボットが起動されるスケジュールによって,このグラフ上で頂点間の遷移が一部不可能になったりするという構造の変化が起こる.このような状況下で,ロボット群をいくつかの点に収束させるような移動アルゴリズムを提案したり,ある種の設定下では解決不能であることなどを示した.以上の研究成果を査読付き国際会議 30th International Colloquium on Structural Information and Communication Complexity (SIROCCO 2023)において発表した.さらに他の問題として,辺に向きの付いていないグラフにおいて,向き付けを行うことで,ある種の指標について最適化を行う問題などについても検討を行った.
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件) 学会発表 (3件)
Proc. 30th International Colloquium on Structural Information and Communication Complexity (SIROCCO 2023), Lecture Notes in Computer Science
巻: 13892 ページ: 149-164
10.1007/978-3-031-32733-9_8
Proc. 13th International Conference on Algorithms and Complexity (CIAC 2023), Lecture Notes in Computer Science
巻: 13898 ページ: 37-51
10.1007/978-3-031-30448-4_4
Proc. 34th Annual Symposium on Combinatorial Pattern Matching (CPM 2023)
巻: 2 ページ: 1-12
10.4230/LIPIcs.CPM.2023.2
Proc. 25th International Symposium on Stabilization, Safety, and Security of Distributed Systems (SSS 2023), Lecture Notes in Computer Science
巻: 14310 ページ: 312-327
10.1007/978-3-031-44274-2_23
Proc. 29th International Computing and Combinatorics Conference (COCOON 2023), Lecture Notes in Computer Science
巻: 14422 ページ: 141-154
10.1007/978-3-031-49190-0_10