| 研究課題/領域番号 |
17K00026
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| 研究機関 | 法政大学 |
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研究代表者 |
金沢 誠 法政大学, 理工学部, 教授 (20261886)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 文脈自由文法 / 文法推論 / 分布学習 |
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| 研究実績の概要 |
平成29年度に引き続き，Clarkの定義したcongruentialという性質を満たす文脈自由文法の持つ性質について調べた。与えられた2つの文脈自由文法G1とG2がcongruentialであるという仮定のもとで，G1とG2が等価であるかどうかをアルゴリズムにより判定することができることをすでに示していたが，さらに，与えられた1つの文脈自由文法Gが決定性である（決定性プッシュダウンオートマトンに対応する）という仮定のもとで，Gがcongruentialであるかどうかをアルゴリズムにより判定することができることの証明を完成させた。また，congruentialの定義を一般化したk-congruentialという概念が，言語生成能力においてはcongruentialと等価であることを示した。
次に，Clarkの定義した代入可能性という性質を満たす言語についていくつかの性質を調べた。言語Lが代入可能であるとは，文字列xと文字列yがLにおいてある文脈を共有するとき，xとyはLに関して合同である（常に一方を他方で置き換えることができる）という条件が成り立つことをいう。ここで，Clarkの定義ではxとyが空でない文字列であったが，これを任意の文字列とすると，より厳しい条件になる。この2つの条件が実質的に異なることを確かめた。次に，言語Lが代入可能であるための十分条件をLのsyntactic semigroupがcancellativeであるという条件を使って与えた。また，無駄な非終端記号を含まない文脈自由文法Gの生成する言語L(G)が代入可能であるとき，Gがweak 1-FCPを持つための条件とGがweak 1-FKPを持つための条件を整理した。より厳しい代入可能性のもとでは2つの性質は無条件に成り立つが，Clarkの定義のもとでは空の文字列に関するある条件が必要である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文脈自由文法に関する条件であるcongruentialityと，言語に関する条件である代入可能性についていくつかの基本的な性質について整理する以外の成果をあげることができなかったが，その理由は，研究代表者の勤務先変更による環境の変化により，本研究に十分な時間を費やすことができなかったことである。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成31年度は，まず，文脈自由文法の決定可能な部分クラスで，正規言語との共通部分をとる演算に対応する文法に対する操作について閉じているものについてもう少し調べてみる予定である。さらに，研究計画当初に予定していた研究に着手する。FKPやFCPの概念を一般化した性質について，それらを満たす文脈自由文法を持つ言語のクラスがFKPやFCPに対応するクラスと比べてどの程度広いのかを解明する。また，文脈自由でない文法形式に対しても成り立つようなFKPやFCPの定義はどのようなものが適切か，考察する。連携研究者の東北大学の吉仲を訪問する機会をなるべく多くとり，研究の遅れを取り戻すように努力する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究に十分な時間を割くことができなかったため研究打ち合わせのために使った旅費が予定額を大幅に下回った。次年度使用額は，国内および国外の研究打ち合わせのための旅費として使用する。
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