研究実績の概要 |
配置問題とは、2次元や3次元の形状を持ついくつかの対象物を、互いに重なることがないように、与えられた領域内に配置する組合せ最適化問題である。この問題は実社会に多くの応用を持つが、汎用的な数理最適化ソルバー(混合整数計画問題に対する汎用ソルバーなど)での解決は非常に困難であり、専用の解法を設計することが必要というのが専門家の間で一致した認識である。このため、研究代表者らは、これまでに様々なバリエーションをもつ配置問題に対して、多くの実用的なアルゴリズムを提案してきた。 本研究課題では、配置問題に対する新たなアルゴリズムの設計を行うことと、配置問題に対する既存のアルゴリズムを、他の問題(異なる目的や制約条件を持つ配置問題や、配送計画、スケジューリングなどの組合せ最適化問題)に活用し、その方法論を確立することを目的として研究をすすめてきた。 研究期間の前半は、レクトリニア図形配置問題に対する研究を実施し、構築型の発見的解放や厳密解法などの複数のアルゴリズムを設計し、それらを学術論文としてまとめた。研究期間の半ばから後半にかけて、エッシャー風タイリングに関する研究を複数実施した。最終年度は、2022年に発表したエッシャー風タイリングに関する論文(Escherization with Large Deformations Based on As-Rigid-As-Possible Shape Modeling, ACM Transactions on Graphics, 41(2), Article No. 11)についてのさらなる発展に関する検討を行い、その研究成果を学術論文として発表した。
|