研究課題/領域番号 |
17K00039
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
矢部 博 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 教授 (90158056)
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研究分担者 |
成島 康史 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (70453842)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 非線形最適化 / 無制約最小化問題 / 制約条件付き最小化問題 / 共役勾配法 / メモリーレス準ニュートン法 / 近接勾配法 |
研究実績の概要 |
無制約最適化問題および制約条件付き最適化問題に対する数値解法について以下の通り研究した。研究成果の一部は日本OR学会、研究集会(京都大学数理解析研究所、統計数理研究所)、国際会議等で発表した。また、研究成果が学術論文誌等に掲載された。 1.大規模な無制約最適化問題に対する勾配法として最急降下法や共役勾配法が知られている。一方、中規模問題に向いている準ニュートン法を大規模問題に適用する研究も注目されている。本研究では、そうした試みの一つとしてメモリーレス準ニュートン法に着目した。特にBroyden公式族を取り扱い、その凸クラスやプレ凸クラスの有効性について検討し、数値実験比較を行った。また、非線形共役勾配法との関連性についても議論した。 2.機械学習などで扱われる目的関数は微分可能な凸関数と微分不可能な凸関数(主として正則化項)の和で表されることが多い。こうした最適化問題では近接勾配法が利用されている。通常は最急降下法に基づいた近接勾配法が良く使われているが、近年では、目的関数の曲率の情報を取り込んだNewton型近接勾配法が考案されている。本研究では近接点を求めるための部分問題を非厳密に解くとともに前述したメモリーレス準ニュートン法を用いた非厳密Newton型近接勾配法を提案し、その大域的収束性を示した。さらに、数値実験を通じて提案手法の有効性と実用性を検証した。 3.サプライチェインネットワーク上で生じる均衡問題を取り上げた。ほかの意思決定主体の情報に不確実性が含まれるような状況を考え、さらに市場における需要が不確実な場合の均衡問題を2次錐制約を持つ変分不等式問題へと定式化し、その変分不等式問題の解の存在性や一意性を議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非線形最適化問題に対して新しい数値解法を提案し、その収束性についてきちんと解析するとともに、代表的なテスト問題に対する数値実験を実施することによって、提案手法の有効性、実用性についても検証している。
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今後の研究の推進方策 |
無制約最適化問題および制約条件付き最適化問題を解くための数値解法について、さらに新しい観点から最適化法を提案していくとともに、数学的な立場から提案手法の収束性についても解析していく予定である。また、機械学習などの応用分野も意識して、関連分野の研究動向などを把握するために国内外の研究集会・学会研究発表会・シンポジウムに積極的に参加して、他大学・他研究機関の研究者と交流し、研究打ち合わせを行って意見交換をしていく予定である。2019年度は以下のような研究計画を考えている。 1.機械学習などで扱われる目的関数は微分可能な凸関数と微分不可能な凸関数(主として正則化項)の和で表されることが多い。こうした最適化問題に対する非厳密Newton型近接勾配法についての研究を継続していく。さらに、近接点を求める際に部分問題を効率よく解くための解法についても研究していきたい。 2.メモリーレス準ニュートン法についての研究では、今までは主として無制約最適化問題を対象にしてきたが、今後は制約条件付き最適化問題への適用を考えていきたい。 3.機械学習の分野では、行列空間上の最適化問題を扱うことがある。こうした問題を通常の制約付き最適化問題に変換して取り扱うのではなくて、直接的に多様体上の無制約最適化問題として扱うアプローチも考えられている。今後は、多様体構造を取り入れた最適化問題の数値解法についても研究していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)次年度に専門書(洋書)を購入するため。
(使用計画)専門書(洋書)購入予定
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