研究課題
1.漸近平均自乗誤差を最小化する情報量規準各種統計量の漸近平均自乗誤差を最小化する方法はOgasawara (2015)によって得られている。すなわち、統計量からO(1/n)の次数の漸近バイアスの推定量のk倍を減じたものの漸近平均自乗誤差を最小化するkを得た。しかし、AIC/nに関してこの方法をそのまま適用することは困難である。Ogasawara (2016)はTIC/nにこの方法を適用して最適なkを得た(optimal information criterion, OIC)。MallowsのCpに関して、OICと同様な漸近平均自乗誤差の最小化を行った。この場合、正規下でnot underfittedであれば不偏性を満たす統計量に定数を乗じた場合の平均自乗誤差を最小化が得られた。モデルがnot underfittedであれば、その定数は未知の母集団値に漸近的に依存しないことを示した。2.漸近期待予測対数尤度を最大化する推定量族最尤推定量に高次の項を加えることにより、現在と未来の両データに関して漸近期待対数尤度(漸近期待予測対数尤度)を最大化することができる。高次の部分は最尤推定量をnで除したものまたは、O(1/n)の漸近バイアスの推定量で、それらをk倍したものである。kの最適値は、漸近平均自乗誤差を最小化する場合よりも絶対値がやや小さくなる傾向が見られた。漸近期待予測対数尤度の展開からは漸近平均自乗誤差との関連も明らかにされた。パラメータが複数の場合の漸近平均自乗誤差に対応する規準も前者の近似として得られた。なおTakezawa (2012)によるn - 4で除して得られる第3の分散は、縮小ではなく増大する統計量でやや例外的であることが示され、分散の予測推定量に関して各種のバリエーションを導出した。
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