研究実績の概要 |
回帰分析において、時間とともに変化する回帰係数は変化係数とよばれ、Hastie & Tibshirani (JRSS, 1993)らによって提案された。Satoh & Yanagihara (AJMMS, 2010)は、変化係数を線形な基底に限定することで、成長曲線モデルにおいて同時信頼区間を構成することに成功した。佐藤・柳原・加茂(応用統計学, 2009)では、離散分布を目的変数とする一般化推定方程式の枠組の中で、線形構造を持つ変化係数の推測方法を提案した。本研究論文は高い評価を受け、2010年度の応用統計学会学会賞(優秀論文賞)を受賞し、これに関連して、統計関連学会(2010, 2012)、応用統計学会(2011)において招待講演を行った。
その後、佐藤・冨田(応用統計学, 2013)では、Brumback et al. (JASA, 1999)の提案手法を経時測定データに対して応用した。本研究も高い評価を受け, 2015年度の応用統計学会学会賞(優秀論文賞)を受賞し、これに関連して、統計関連学会(2015)において招待講演を行った。また、冨田・佐藤他(応用統計学, 2010)では空間データへの適用を提案した。そして、Satoh & Tonda (JJSS, 2014)では空間データに対してセミパラメトリックな変化係数曲面の推測を提案し、Tonda & Satoh他(J. Epidemiol., 2015)ではがん死亡データにおいて年齢と時代の変化係数曲面を考えることでコホート効果の検出方法を提案した。そして、本研究の主な成果としては佐藤(応用統計学, 2020)「時空間データに対するバランス型成長曲線モデルの適用」としてまとめられた。
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