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2018 年度 実施状況報告書

不完全情報を伴う事象時間データのセミパラメトリック推測とその多次元化

研究課題

研究課題/領域番号 17K00054
研究機関鹿児島大学

研究代表者

杉本 知之  鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (70324829)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード事象時間データ / 競合リスク問題 / 群逐次デザイン / セミパラメトリック解析 / ノンパラメトリック解析 / 繰り返し測定解析 / 層別分析
研究実績の概要

本年度は,昨年度に引き続き(1)ノン競合リスクのもとでの相関のある2変量事象時間モデルを考え,ログランク検定法を用いた群逐次試験デザインの研究を行った.前年度までに開発した群逐次型2L変量ログランク統計量の漸近理論分布の結果を応用して,検出力や標本サイズを求める方法を整備し,投稿論文の審査の修正対応を行った.並行して,そのような群逐次試験デザインの研究をセミ競合リスク問題の場合に拡張して,そこで生じる漸近分布の特徴とノン競合リスク問題からの変化を調べる研究を行った.(2)セミ競合リスク問題では,実際には,情報寄与あり打ち切りとなっているため,独立中途打ち切りとして扱えば情報の損失が生じる.ただし,情報寄与を与える方法を開発するためには,同時分布の規定やその相関の値を推定する必要がある.そのため,コピュラモデルをもちいて2変量分布の定式化を行い,情報寄与あり打ち切りを導入した相関構造の推定方法を開発し,2変量ログランク統計量の修正することを研究した.(3)繰り返し測定データに対するノンパラメトリック接近法の研究を昨年度から継続し,その方法論と理論の整備を行った.この研究の核としては,群間比較のWilcoxon統計量と時点間の差を評価するFriedman統計量との相関を求めることであるが,本年度において,計数過程とその強度過程の定式化によるマルチンゲール接近法が利用できことが分かった.(4)相対生存モデルの研究も進め,Brierスコアの漸近分散公式の定式化とその性能の検討中である.(5)機械学習の方法を用いてセミパラメトリックに層別分析を行うための方法を新たに開発していくための基礎研究として,誤った層を設定したもとで得られる,ランダム効果モデルからの検定統計量や平均母数や研究間分散の推定量の数理的な性質を調べる研究を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね当初の計画に即して,研究が遂行され,結果を得ることができている.あるパート,相対生存モデルの研究に関しては,少し予定よりも遅れているが,研究を進めている中で,層別分析に対するセミパラメトリック接近法の研究のアイデアを得て,それに着手し進展しているといった新しい展開もあったため,総合的におおむね順調に進呈しているといえる.

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進の方策としては,相対生存モデルの研究では,漸近分散の定式化の妥当性のためのシミュレーション研究をまとめ,Survival樹木法への発展を考えている.情報寄与ありの打ち切りによる2変量ログランク統計量の研究を深め,セミパラメトリック・周辺プロフィール尤度による解法を整備する.相関のある多変量競合リスク問題の研究として,これまでの知見をもとに,競合リスクのもとでの群逐次型2L変量ログランク統計量の研究の応用を進めていく.繰り返し測定データに対するノンパラメトリック接近法の研究については,これまでに得られた理論結果を一般のK時点での問題に発展させ,正規モデルとの性能比較,順位変換による繰り返し測定解析との違い,欠測値を多く生じる実際場面でのどのような性質や特徴をもつかを整備することで研究を纏め上げたいと思っている.

次年度使用額が生じた理由

物品の耐用年数が見込みより長かったため,本年度中には物品費の一部を使用せず,その執行を次年度に変更したため.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Group-sequential logrank methods for trial designs using bivariate non-competing event-time outcomes2020

    • 著者名/発表者名
      Sugimoto T, Hamasaki T, Evans SR, Halabi S
    • 雑誌名

      Lifetime Data Anal.

      巻: 26 ページ: 266, 291

    • DOI

      10.1007/s10985-019-09470-4

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ランダム効果層別DL分析法の正確分布2018

    • 著者名/発表者名
      花田圭佑, 杉本知之
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第32回大会
  • [学会発表] 繰り返し測定値の順位に基づく解析:2 群2 時点の場合2018

    • 著者名/発表者名
      永久保太士, 杉本知之, 後藤昌司
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第32回大会
  • [学会発表] ランダム効果 DL 層別分析における標本分布2018

    • 著者名/発表者名
      花田圭佑, 杉本知之
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第32回シンポジウム
  • [備考]

    • URL

      https://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/sugimoto/appli1.html

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公開日: 2019-12-27  

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