研究課題/領域番号 |
17K00063
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
森 裕一 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (80230085)
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研究分担者 |
黒田 正博 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (90279042)
飯塚 誠也 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 教授 (60322236)
久保田 貴文 多摩大学, 経営情報学部, 准教授 (30379705)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クラスタリング / 次元縮約 / 非計量多変量解析 / 数量化 / 計算効率 / 加速化アルゴリズム |
研究実績の概要 |
混在尺度や構造の複雑性を考慮し,情報縮約と分類の同時推定により,隠れた構造や特徴を取り出せる手法の提案と,その結果を対話的および高速に得る計算環境を提供することをめざし,本年度は,(1)先行研究の情報収集と分析・整理,(2)尺度混在データの変数選択と加速化の研究,(3)次元縮約手法とクラスタリングの同時推定の検討に取り組んだ。 (2)では,(1)で集めた情報をもとに,主としてイメージ調査で収集される(尺度混在)データから,拡張主成分分析と項目反応理論によって項目を選択する手法を検討・提案した。これについては,2017 Hangzhou International Statistical Symposium (杭州,中国)で報告した。計算の効率化については,これまでの継続的な研究成果から,交互最小二乗法を用いる手法全般に適用できる加速化の一般的手順の定式化を提案し,非計量主成分分析や非計量因子分析へ適用した成果を Conference of the International Federation of Classification Societies 2017 (東海大学),The 10th Conference of the IASC-ARS/68th Annual NZSA Conference (オークランド,ニュージーランド),The 1st International Conference on Econometrics and Statistics (香港) で報告した。 (3)では,(1)をもとに,典型的な次元縮約と分類の同時推定手法である Reduced k-means Clustering について,その亜流およびRの関数について検討し,特徴抽出のための準備を進めた。また,交互計算をともなうクラスタリング(ファジーC平均法)の加速化の検討にも入った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データを構成する変数の分析を変数選択の意味で,非計量主成分分析や項目反応理論の枠組みで議論できたこと,交互最小二乗法を用いる計算のように反復手法を用いる手法全般に適用できる加速化の一般的手順が提案できたこと,本研究でターゲットとする次元縮約と分類の同時推定手法が,Reduced k-means Clustering を中心に,具体的アルゴリズムの分析に着手できたことから,本年度の研究についてはおおむね予定通りに進んでいると判断される。加速化や変数選択については,国際学会で発表もできたことや,クラスタリングの加速化の数値実験に取りかかれている点などは,予定以上の成果が得られているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」に示した(1)(2)(3)の研究は継続する。 それらに加え,(4)として,(3)を発展させ,まず,既存のクラスタリング手法で,次に,次元縮約とクラスタリングの同時推定手法で,尺度混在データを扱えるようにすることを行う。これと並行して,(5)同時推定手法の計算の効率化の検討を行う。(4)(5)に目途が立ったタイミングで,(6)提案する手法において,データグループの選択,パラメータの値の指定,変数やクラスターの指定などを対話的に行えるインタフェースの検討に入る。 研究成果については,統計関係の会議(EcoSta2018,COMPSTAT2018などの国際会議,日本計算機統計学会や日本行動計量学会などの国内学会)で発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理 由)計画していた出張が,学内の業務により不参加としたため。 (使用計画)資料収集,成果発表を積極的に行うための出張費に充てる。
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