研究課題/領域番号 |
17K00064
|
研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
田中 章司郎 広島経済大学, メディアビジネス学部, 教授 (00197427)
|
研究分担者 |
西井 龍映 長崎大学, 情報系新学部創設準備室, 教授 (40127684)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 統合データセット / 時空間統計モデル / 空間パネルデータ分析 / Spatial Error Durbinモデル |
研究実績の概要 |
ヤシ油採取のため森林破壊がすすむインドネシアのスマトラ島に関するセル(メッシュ)型統合データセットの作成が完成した。当初予定していた全世界を1km四方のメッシュでカバーするGridded Population of The World Version 4 (GPWv4)人口データはインドネシアでは細密化がなされておらず行政区画の人口データをそのままメッシュに割り振っていることが分かったので,メッシュ人口は Oak Ridge National Laboratory の LandScan 2017 Global Population Database,森林面積は Hansen/UMD/Google/USGS/NASA の Global Forest Change Ver1.5, 2017,標高差は USGS SRTM Void Filled data, 2014を用いた。 一方,社会経済データは殆どの場合行政区画単位から成り立っているため,従来用いていたセル型区画では一部例外を除き,多くの多面的統計情報を集約できない。 このため,一旦セル型データの解析を中断して,ヤシ油採取量・住民の貧困度を含む社会経済データに関して,スマトラ島を中心に行政区画単位のデータを整備した。インドネシアの統計データの体系が2010年から変更になったため,2011年から2018年の時系列データをスマトラ島の10州(province)に関して整備した。このデータセットを用いて,計量経済学で用いられる時空間解析手法である空間パネルデータ分析Spatial Durbin Errorモデルを線形に変換して変数選択をかけたところ,ヤシ油生産量が住民の収入に対して,近隣行政区画と正の有意な相互作用を示したのに対して15歳以下の若年人口には,有意な傾向は見られなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
森林面積減少がもたらす社会経済的影響を解析するためには,スマトラ島のデータセットにさらに,上記の森林面積変化(2011年~2018年)と標高データから計算される平均標高,標高差を現在追加する必要があるが,一つの行政区画の中に森林を示す画素を通常100万ほど処理しなくてはならないため,膨大なデータを処理できる効率的なアルゴリズムを開発中である。
|
今後の研究の推進方策 |
森林面積変化(2011年~2018年)と標高データから計算される平均標高,標高差を含む7時期10州の統合データセットをいち早く完成させる。空間パネルデータ分析Spatial Durbin Errorモデルを線形に変換して変数選択する手法の開発は終了しているので,行政区画統合データセットを用いて解析をすすめる。しかし,計量経済学で問題となる固定効果<-->ランダム効果についてさらに検証していく必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿費として使用を予定していたが,論文をrejectされたため。
|