研究課題/領域番号 |
17K00066
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
船渡川 伊久子 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (80407931)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 経時データ解析 |
研究実績の概要 |
複数の対象者から時間の経過とともに観測した経時データに対する解析手法のさらなる発展を目的として研究を行った。本年度は、英文書籍『Longitudinal Data Analysis: Autoregressive Linear Mixed Effects Models(経時データ解析:自己回帰線形混合効果モデル)(Ikuko Funatogawa and Takashi Funatogawa)』の執筆を行い、Springerより出版した。連続型反応の経時データ解析には線形および非線形混合効果モデルが標準的に用いられるが、提案している自己回帰線形混合効果モデルは、反応を自身の過去の反応に回帰する自己回帰モデルと、個体間の違いを変量として考慮する混合効果モデルを組み合わせたものである。自己回帰線形混合効果モデルのメカニスティックな側面に焦点を当て、線形混合効果モデル(linear mixed effects models)、自己回帰線形混合効果モデル、多変量自己回帰線形混合効果モデル(multivariate autoregressive linear mixed effects models)、状態空間表現(state space representation)との関連、非線形混合効果モデル(nonlinear mixed effects models)や成長曲線(growth curves)との関連、欠測データがある場合の適用、時間依存性共変量がある場合の適用、データ解析事例などについて記述した。
自己回帰線形混合効果モデルは周辺モデルに変換した際、特徴的な分散共分散行列を示す。これを拡張して、新たな分散共分散行列を示し、学会発表を行った。自己回帰線形混合効果モデルが経済学など医学以外の他分野でどのように使用されているかの調査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英文書籍の出版や国際学会での発表を行い、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
経時データ解析に関して国際学会で発表し、論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
執筆を中心に行ったため、物品費や人件費の使用が当初計画よりも少なくなった。関連書籍購入のための物品費、成果発表のための旅費、論文原稿の英文校閲費などとして使用する。
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