研究課題/領域番号 |
17K00076
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
小林 良太郎 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (40324454)
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研究分担者 |
嶋田 創 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (60377851)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | メニーコア / IoT / 高効率 |
研究実績の概要 |
本研究では、様々な規模のコアに対応するために、コアの規模に依存することなく電力を削減できるデータビット幅に着目する。そして、1チップ上に高電力64ビットコアと低電力nビットコア(n<64)を混載し、プログラムごと、又は、プログラム内の命令ごとにデータビット幅を圧縮しながら、低電力コアでより多くの命令を処理する。 本年度においては、メニーコア上のnビットコアにおける細粒度の電力制御機構の開発を行った。開発した電力制御機構は動的電圧周波数制御(DVFS)が有効となっている時に、電力をさらに低減する機能を持つ。開発した機構は大きく2つに分けることができる。 1つ目の電力制御機構は、CPU全体の消費電力の多くを閉めているキャッシュの電力を制御する。コアの動作周波数の変動に合わせて、アクセス速度が遅いキャッシュに制御を移すことによって、消費エネルギーを削減する。 2つ目の電力制御機構は、コアの動作周波数の変動に合わせて、複数の演算回路間でデータをバイパスし、単位時間当たりの演算回数を増やすことによって、電力効率を上げる。その結果、消費エネルギーを削減する。 本年度においては、上記に加え、ベンチマークとして、人工知能をベースとしたセキュリティ対策システムの実現を行った。人工知能は最新のサイバー攻撃に対応する定義ファイルの更新が不要であり、また、サイバー攻撃を高精度に検知できるため、IoTデバイスに適している(例:Cylance社の人工知能)。データセットとして、ハニーポット上でマルウェアが行う悪性通信のデータを収集し、それをデータセットとして整備、解析を行った。これはセキュリティ対策を行うメニーコアの性能評価での活用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の研究目的に沿った研究実績が十分に得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、前年度に得られた成果をベースとして、研究計画に示された内容(未発表のアイデアを含むため詳細は省く)に沿って、研究を進める。なお、一部の研究課題については前年度から継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、研究代表者の勤務先変更に伴い、研究設備の更新等が必要となり、予定していた学会発表を次年度に繰り越す必要が生じたためである。 次年度使用額については、予定していた学会発表を行うことによって使用する予定である。
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