研究課題/領域番号 |
17K00080
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
杉原 真 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (80373538)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | TDMA / リアルタイムネットワーク / 実時間性 / 設計自動化 / 通信信号 |
研究実績の概要 |
本課題では実時間性の保証が容易な時分割多元接続(TDMA: Time Division Multiple Access)方式に焦点を当てる。本課題では、自動車走行の環境や計画に依存して動作する機能が定まり、延いてはIVNS 内でアクティブとなる通信信号が定まる点に注目し、動作モードの概念を導入する。ここで通信信号とは、送信ノード、受信ノード集合、一つのメッセージ当りのデータ量、メッセージの送信要求周期、及び相対デッドライン時刻の5 つ組で規定される送信ノードの振る舞いを指す。動作モードはそれが対象とする状況でアクティブな通信信号の集合を定めるものであり、適応的に切り替えて用いるものである。本課題では、自動車走行の環境や計画に依存してIVNS の動作モードを適応的に切り替えることにより通信資源の浪費を排除し、部材コストに優れたIVNS を自動合成する設計技術を研究する。
H29年度は、動作モードの概念をIVNS 設計に導入することで、どの程度の部材コストを削減できるかについてFSを実施した。主に単一の通信バスを対象とし、動作モード制約の下でメッセージスケジュール及びWH の選択を最適にし、部材コストを最小にするIVNS を自動合成するツールを開発した。動作モードを切り替えるためには、ネットワークノードの間で動作モード切り替えに係る情報をやりとりするオーバーヘッド(OH)が生じるが、切り替えOH と実時間性について調査した。なお、これまでのFSでは、仮想的に生成された通信信号集合及び動作モード集合に対して、動作モード数が2の場合、21-37%の動作周波数を削減できると確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H29年度は、動作モードの概念をIVNS 設計に導入することで、どの程度の部材コストを削減できるかについてFS を実施した点、主に単一の通信バスを対象とし、動作モード制約の下でメッセージスケジュール及びWH の選択を最適にし、部材コストを最小にするIVNS を自動合成するツールを開発した点、動作モードの切り替えにかかるオーバーヘッド時間に関するフィージビリティスタディを実施した点、計算機実験により提案手法を実証した点を考慮し、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究の成果を論文として公表することを進めていく。
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