本課題では実時間性の保証が容易な時分割多元接続(TDMA: Time Division Multiple Access)方式に焦点を当てた。本課題では、自動車走行の環境や計画に依存し、組込みシステムにおいて動作する機能が定まり、延いてはIVNS 内でアクティブとなる通信信号が定まる点に注目し、IVNSの設計において動作モードの概念を導入した。ここで通信信号とは、送信ノード、受信ノード集合、一つのメッセージ当りのデータ量、メッセージの送信要求周期、及び相対デッドライン時刻の5つ組で規定される送信ノードの振る舞いを指す。IVNSにおける動作モードはそれが対象とする状況でアクティブな通信信号の集合を定めるものであり、適応的に切り替えて用いるものである。本課題では、自動車走行の環境や計画に依存してIVNSの動作モードを適応的に切り替えることにより通信資源の浪費を排除し、部材コストに優れたIVNSを自動合成する設計技術を研究した。 令和元年度は、IVNSにおける動作モードの概念をTDMAベースの車載ネットワークシステム設計に適用し、メッセージスケジュールを最適化し、部材コストを最小化する方法論を具現化するソフトウェアを用いて、IVNSのベンチマークを実施した。本研究課題で開発したソフトウェアは、焼きなまし法を用いることで、メッセージスケジュールを最適化するものである。本ソフトウェアでは、二つのサブネットをブリッジする構成に対しても、最適化が可能である。令和元年度は、本ソフトウェアを用い、ベンチマークとして、合成されたIVNSの評価を実施した。
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