研究課題
本研究で解決すべき課題は以下の3点である.(1)ニューラルネットワークの特徴(ニューロン数,シナプス結合数,レイヤ数)に対応できる柔軟性(プログラマビリティ).(2)ニューラルネットワークに特化した低消費電力方式.(3)将来的に増大するニューラルネットワークの規模に対応できる拡張性.以上より,回路レベルとデバイスレベル両方のアプローチより柔軟性と拡張性を備えたニューラルネットワーク専用チップを研究・開発することである.本研究では,DNNの多種多様な用途・構造に対応するためリコンフィギャラビリティ(再構成性)を備えたAIアーキテクチャを研究開発し,低コスト,高ユーザビリティ,高速かつ超低消費電力なリコンフィギャラブルAIアクセラレータの回路構造を明らかにした.また,スタンダードセルライブラリを用いてレイアウト設計レベルで性能評価を行った.CIFAR100向けpythorch-AlexNetモデルを実装した際の最大動作周波数350MHz,畳み込み層の電力効率は1.43 [TOPS/W]であった.今後は低消費電力化技術(電源制御,閾値制御,ゲーテッドクロック等)を用いることでさらなる性能改善を見込めると考えられる.また,推論モデルの1秒当たりの処理能力は100 [FPS],消費電力は0.11 [W],これらを加味した電力効率は883 [FPS/W]であった.提案AIアーキテクチャの特徴は,DNNの複雑さや規模に応じてHW(Hardware)構成を最適化できる点にある.本研究で開発されたアーキテクチャをベースに,MobileNetなどの新しいAIエッジコンピューティング向けのモデルへの対応を進める予定である.
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International Journal of Innovative Computing, Information and Control
巻: 16 ページ: 0
IEICE Electronics Express (ELEX)
http://www.arch.cs.kumamoto-u.ac.jp/index.html