本研究による主要な成果として,トーラスにおける確率的耐故障経路選択アルゴリズムを提案したことが挙げられる.次に,本研究活動を通じてトーラスの構造を深く理解した結果,k進n次元トーラスにおけるノード対間の素な経路問題,およびノード集合間の素な経路問題といった未解決問題を,kやnの多項式時間で解くアルゴリズムを開発することができた.さらに,確率構造を用いた耐故障経路選択アルゴリズムを他の位相に対して適用した結果,ローカリーツイステッドキューブ,フォールデッドハイパーキューブ,デュアルキューブにおける確率的耐故障経路選択アルゴリズムの開発に成功した. 上記以外に,代替の耐故障経路選択アルゴリズム,およびその前段階として,最短経路選択アルゴリズムを様々な位相において開発した.具体的には,n次元の有効双射結合グラフにおける素な経路問題をnの多項式時間で解くアルゴリズムを開発した.また,デュアルキューブにおける耐故障経路選択アルゴリズムを開発した.n次元ツイステッドクロストキューブにおける,ノード間の素な経路問題をnの多項式時間で解くアルゴリズムを開発した.クロストキューブにおける耐故障経路選択アルゴリズムを開発した.ハイパースターグラフにおける耐故障経路選択アルゴリズムを開発した.クロストキューブにおける完全適用的最短経路選択アルゴリズムを開発した.n次元メビウスキューブにおいて,ノード間およびノード集合間の素な経路問題をそれぞれnの多項式時間で解くアルゴリズムを開発した.スパインドキューブにおける最短経路選択アルゴリズムを開発した.
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