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2017 年度 実施状況報告書

ビッグメモリDBMSを考慮した仮想マシン移送に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K00094
研究機関東京農工大学

研究代表者

山田 浩史  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00571572)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード仮想マシン移送 / データベース管理システム / 仮想マシン
研究実績の概要

本応募課題では,大量のメモリを活用しているデータベース管理システム(DBMS) を稼動した仮想マシン(VM) を稼動させたまま移送する方式について研究する.DBMS レイヤのメモリ管理機構とVM モニタのメモリ管理機構とを連動させることによって,総移送時間の短縮を狙う.平成 29 年度は,提案方式の詳細設計およびプロトタイプの実装を行った.オープンソースで広く利用されている Xen,Linux,および MySQLに組み込む形で実現した.具体的には次の通りである.Xen ではDomain 0 と呼ばれる特殊なVM が存在し,その上で稼働しているプロセスがVM 移送を実行している.このプロセスに1) バッファプール以外のメモリ領域を転送する機構,2) 共有ディスク内にあるDB ファイルを走査してバッファプールを構築する機構を組み込む.1) の機構は移送元で,2) の機構は移送先で動作する.ここで,移送プロセスはMySQL の資源管理情報を共有していないため,メモリ上のバッファプールのアドレスやDB ファイルの構成などを把握できない.そこで,MySQL とLinux とを連動させ,3) バッファプールのメモリページの物理アドレスを移送プロセスに通知する機構,4)DB ファイル内のレイアウト情報を移送プロセスに通知する機構を用意し,これらの機構を連動させた.また,人工的なワークロードを作成し,テストを繰り返してプロトタイプの完成度を高めることにも成功した.読み込みや書き込みを行うワークロード,加えてトランザクションを含むワークロード,SysBench と呼ばれる MySQL をテストする上で業界標準となっているベンチマークも稼働させることに成功している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

プロトタイピングの完了が H.29 年度の目標であったにもかかわらず,次年度予定であったワークロードの稼働テストまで実施,成功するというフェーズまで研究を進めることができたためである.

今後の研究の推進方策

今後はプロトタイプの評価に注力していく.具体的には,まずクラウド環境を模した環境を構築し,実験環境を整える.VM 移送用計算機,ストレージサーバを利用してAmazon EC2 を模した環境を構築する.Amazon EC2 で提供されているVM のスペックを参考に同スペックのVM を複数用意する.特にDB R3 インスタンスと呼ばれる,メモリ容量の多いVM を一通り用意して稼働させる.加えて,実践的なワークロードを稼働させてプロトタイプを用いて移送する.構築した環境上で実アプリケーションを稼働させてプロトタイプを動作させる.実践的なワークロードとしては,TPC-H や TPC-C,Auction, Voter を稼動させる.提案方式が正しく動作しない場合には,ワークロードの挙動を踏まえ,提案方式の動作を解析してを初年度に計測したデータに立ち返りながら原因を特定し,プロトタイプを洗練していく.

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公開日: 2018-12-17  

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