研究課題/領域番号 |
17K00107
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
横山 和俊 高知工科大学, 情報学群, 教授 (50559135)
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研究分担者 |
谷口 秀夫 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70253507)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オペレーティングシステム / 仮想化技術 / クラウドコンピューティング |
研究実績の概要 |
平成30年度は、平成29年度に確立した技術について、実際のアプリケーションを用いた評価を実施し、確立した技術の有効性を確認した。また、予定を前倒しし、計算機に跨る環境を対象に、APグループの移送内容を自動的に特定する技術の基本的な技術を確立した。なお、これらの研究成果について、3件の学会発表を行った。 (1-a)移送内容を自動的に特定する技術、(1-b)実行停止時間を短縮する分割転送技術 APが利用する主なソフトウェア資源であるプログラム、ファイル、プロセス間通信に加え、プロセス生成を監視する方法を検討し、システムコールライブラリ内にシステムコール監視機構を実装した。また、実際のアプリケーションとして、カーネルmakeを対象とし、評価を行った。評価の結果、提案手法では、実用的な時間で移送する移送内容を特定できることが分かった。また、ファイルへのアクセス頻度に着目して分割転送することで、実行提示時間の短縮が実現できることが分かった。 (2-a) APグループに移送内容を特定する技術 複数の計算機に跨るAPグループが利用するソフトウェア資源と追跡し、移送内容を特定する技術を確立した。確立した手法では、socket通信のシステムコールをシステムコールライブラリとカーネル内で監視することで通信相手のAPを特定する。また、それらの情報をマスタサーバに集約し解析することで移送内容を特定する。疑似データを用いた評価では、実用的な時間で移送内容を特定できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定にしていた(1-a)移送内容を自動的に特定する技術と(1-b)実行停止時間を短縮する分割転送技術について、予定通り、実際のアプリケーションを用いた評価を実施し、有効性を示した。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、平成30年度に引き続き、(2-a)APグループの移送内容を特定する技術について取り組む。また、(2-b) APグループを安全に再構築する技術について、技術を確立する。また、これらの研究成果について、2件以上の学会発表を行う。 (2-a) APグループの移送内容を特定する技術 昨年度確立した複数計算機に跨る移送内容を特定する技術について、システムコールライブラリレベルのみでの実現を図る。 (2-b) APグループを安全に再構築する技術 移送元と移送先では、割り当てられる計算機の台数や、IPアドレスなどのネットワーク環境が異なる。このため、ネットワーク環境の差異を変換する方法を検討する。また、APグループの動作が他のAPへ影響を与えることを防ぐする方法を確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
軽微な乖離のため、次年度に繰り越した。
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