研究課題/領域番号 |
17K00117
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木實 新一 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70234804)
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研究分担者 |
緒方 広明 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (30274260)
笹尾 知世 徳島大学, 地域創生センター, 助教 (60789733)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ユビキタスコンピューティング / 都市センシング / 行動複製 / モバイルセンシング / クラウドセンシング / アーバンコンピューティング |
研究実績の概要 |
都市センシンク技術の発達によりCDR(Call Detail Record)等を用いて都市における人々のマクロな行動データを取得したり、監視カメラ等のデバイスを設置し た一部の空間でミクロな行動データを取得することが可能になりつつある。しかし、商圏・駅勢圏スケールの広い空間において網羅的に偏りの少ないミクロな行 動データを取得することは未だ困難である。本研究は、センサを装着したボランティアが統計的なモデルに基づいて人々の行動を協調的に模倣することにより、 広い空間において偏りの少ない詳細なデータを取得することのできるセンシング技術を確立することが目的である。プライバシーに配慮した柔軟なデータ取得環境の実現を目指す。
H30年度は、行動複製センシングの精度を高めるための改良を行った。また、サンプリング手法の有効性検証と微調整のための取り組みを行った。具体的には、各ボランティアの行動複製の特徴をセンサデータに基づいてモデル化し、それに基づいてより精度の高い行動複製センシングデータの抽出が可能な手法を開発し、成果を英文論文誌に発表した。また、行動複製センシングにより取得したデータを空間的に集約するアルゴリズムを改良し、人手により収集した行動データとの相関を高め、高精度化することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H30年度は、行動複製センシングの精度を高めるための改良を行った。また、サンプリング手法の有効性検証と微調整のための取り組みを行った。当初の計画では、平成30年度に冗長な行動複製タスクを用いたデータ取得も行う予定であったが、当初予期していなかった行動センシングの精度改良が可能になったため、精度改良手法と冗長性に基づく手法を連携させることにより、より良い成果が得られると考えられた。その点を考慮して行動複製センシングモジュールのプロトタイプ検討を当初よりも時間をかけて行うことにした。このため、それと連動した行動複製タスクのデータ取得が当初計画していたよりもやや遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、H31年度以降に、モデル化と実証実験を行うことを計画していたが、これらについては特に大きな変更をする必要は無いと考えている。H30年度に予定していた冗長な行動複製タスクを用いたデータ取得や行動複製センシングモジュールのプロトタイプ開発がやや遅れ気味であるため、H31年度もこれらを継続する必要がある。その一方で実証実験の準備をすでに一部開始しているため、H31年度の内容の検討がすでに一部進んでいることになる。したがって、H30年度の内容を一部H31年度に継続したとしても大きな支障はなく、今後も順調に研究を進めていくことができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
H30年度は行動複製センシングの精度を高めるための改良を行ったため、データ取得のための人件費・謝金については、必要とはならなかった。次年度使用額として発生した134,448円は、H30年度に予定していたデータ取得を継続するために付加データ取得の経費として使用する予定である。
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