待機電力ゼロ型センサノードとドローンを組み合わせた超省電力・低メンテナンスなインフラモニタリングに関する研究である。待機電力ゼロ型センサノードは待機時に無電力化になりバッテリ駆動時間をほぼバッテリ交換無しにする。インフラに設置された大量の待機電力ゼロ型センサノードをドローンが自動飛行によって起動しながら、センサデータを集計して回る。ドローンのバッテリ駆動時間は飛行時間や待機電力ゼロ型センサノードの起動回数による。ドローンが一度に複数の待機電力ゼロ型センサノードを起動できれば、ドローンのバッテリ駆動時間だけでなく、検査時間も短縮できる。 前年度までに2台までのセンサノードは、ドローン側に設置した高輝度赤外線LEDと、ノード側に設置した8個のフォトダイオードを用いて起動できることを確認しており、今年度は、さらなる台数の増加を図って赤外線LEDの照射側の構成を見直した。LEDの光が効率よく、複数台センサノードに設置されたフォトダイオードに届くように市販のLEDレンズを加工した。実験結果から光源からそれぞれのノードが1m程度の距離であれば、4台まで起動できることを確認した。 ドローンの自動巡回に関して、使用していたドローン(Bebop2)での制御ソフトウェアライブラリ(Node-bebop)の更新が停止してしまい、昨年度は新規ドローン(Tello)とその制御ソフトウェア(python)でコマンドベースで自動巡回するまでに移植を進めた。今年度は、自動巡回時にどのセンサノードを巡回したか判断できるよう、センサノードにランドマークを張り付けそれを画像処理によって検出するまで実装を進めた。 最終年度までの成果によって、当初予定していた研究の基礎部分は完成できた。今後は実応用への展開を進める必要がある。
|