研究課題/領域番号 |
17K00139
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
岡崎 美蘭 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (00545155)
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研究分担者 |
岡崎 直宣 宮崎大学, 工学部, 教授 (90347047)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | デバイス認証 / 端末認証 / IoT |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,IoT(Internet of Things)サービスを誰でも安心して利用できるようにIoT システムのセキュリティ基盤技術を確立することである.そこで,IoT システムの脅威を分析し,デバイスレベルからアプリケーションレベルまで一貫したセキュリティプラットフォームの構築技術を確立することである.そこで,不正アプリケーションを見分けることができるアプリケーション認証技術を開発し,IoT システムを構成する膨大な数のデバイスのスケーラビリティ問題を解決できるセキュアグループ管理手法の研究開発を目指す. 今年度は,昨年度検討したIoT機器と他のデバイスとのセキュアペアリング手法の実用化に向けた実装及び実験を行い,その結果を学会などで発表した.実装では,カメラを内蔵したノートPCとモバイル端末Nexus 5Xを利用して開発を行った.実験では,条件による類似度変化の確認実験とカメラの範囲外にいるなりすまし者が不正にペアリングできるかどうかの確認実験を行った.類似度の確認実験では,マーカーを表示するモバイル端末をカメラから(1.5m,2.0m)離して,カメラに向けてモバイル端末を〇と∞の字の形で約15秒間動かして,取得したデータから類似度を計算した.被験者8名で取ったデータをいくつかの類似度計算手法で確認した結果,1.5m地点での〇と∞の字のモーションについては,∞の字の類似度が高く算出された.しかし,2.0m地点では〇のモーションの類似度が高く算出された.このような結果から,カメラーとマーカーの距離がマーカーが認識できる限界の距離によって類似度のばらつきが出てきたことが分かった.また,不正なペアリングを検知できるかどうかの実験では,正規のユーザより不正者の類似度が低くなり,検出可能であることが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の研究期間全体の研究計画としては,安全なIoTサービスを実現するためのデバイス認証技術を開発し,実用化に向けた実装及び検証実験を行う予定である.そこで,初年度は主に不正なIoTデバイスを検知するための,カメラを利用したデバイスペアリング手法を提案した.次年度は,この提案手法を実装し,実用化に向けて実験を行った.これらのことより,本研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の実装・実験では,類似度の計算手法によってばらつきがでてきたことを確認でき,実用化に向けた検討がさらに必要であることが分かった.今後は,当初の研究計画に則り,実用化に向けた実証実験を行う予定である.そこで,精度の向上に向けた提案方式の類似度の見直しと共に実証実験を行いながら実用化への評価を行う予定である.さらに,提案した方式や実証実験による評価結果などについて,国内外の学術会議で報告する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定だった実験用の物品を,次年度の実験の際に購入して使う予定である.
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