• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

マイクセンサを用いた高精度屋内位置検出と環境音による行動推定手法およびその検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K00140
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

田中 博  神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (00434415)

研究分担者 五百蔵 重典  神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (20318992)
西村 広光  神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (70329308)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードマイクセンサ / 屋内 / 位置検出 / 測位 / 環境推定 / 行動推定 / アラーム音
研究実績の概要

本研究の基本的な目標は、音の新たな利用領域を開拓し、その有用性を実証することである。その中で本研究のこれまでの実績は、以下の4点にまとめられる。
(1)高精度な測位機能とデータ伝送機能の共存技術:音を用いた測位機能と計算機シミュレーションで検証した音の変調によるデータ伝送機能を同一ハードウェア構成で実現した。これは、GPS/GNSSにおいて電波で行われている測位とデータ伝送を音波で実施するものである.2つの機能が要求される場合でのシステム構成を容易にした。
(2)測位用音源の拡張:上記(1)の測位では、測位に特化したスぺクトル拡散を適用した音源を用いている。しかし、室内環境には多様な音源があり、その音源の位置が分かれば、新たな応用が期待できる。H30年度は各種室内音源による測位に拡張した。従来の相関法からCSP法と呼ばれる手法を適用し、その評価を行った。CSP法により測位精度が確保できることを確認したが、一部の音源では十分な測位精度が得られなく、検討を継続する。
(3)音の識別技術:マイクセンサは,測位音源を含めた全ての環境音を検出している.これを積極的に利用することにより,測位機能と音の識別機能が同一構成で実現できることになる.H30年度においては、室内の8種の各種アラーム音の識別方法を検討し、ニューラルネットワークを用いて90%程度の精度で識別ができることを確認した。
(4)音による測位・音の識別機能の実証プラットフォームの構成:実際の室内空間と同じ広さと環境で評価することを目的に、研究室内の4m×5mの範囲の天井に30個のマイクセンサを取り付けるとともに、これらの信号をPCに取り組み、評価や実証のための基盤を実現した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は、従来は超音波やスペクトル拡散を行った音源を用いていた測位のための音を室内環境に存在する多様な音源に広く適用できるように、技術の拡張に取り組んだ。その結果、従来の相関計算による手法から、音の強弱の影響を受けづらいCSP法を用いて室内の音源の位置の検出に寄り組んだ。概ね良好な測位精度が得られたものの、音源によっては精度の確保ができておらず、この高精度化が課題として残っている。
一方、行動推定のベースとなる室内環境音に対する識別法について、新たに取り組んだ。聴覚障がい者の方から、室内アラーム音を何らかの形で知らせるシステムの希望があり、識別技術をこのシステムに応用した。8種類のアラーム音の識別が90%程度の精度で識別できることを確認した。今後は、環境雑音がある環境下での識別精度の確保やアラーム音以外の音の識別とそれに基づく行動推定に取り組む予定である。

今後の研究の推進方策

室内音源の位置検出法を実際の室内環境に適用する。音環境の把握として、この技術で得られる位置情報と音源の識別技術で得られる結果から、音源の位置、識別を高精度に実現する手法としての確立を目指す。これまでは、電子情報通信学会、情報処理学会から情報を得てきたが、音響学会からの情報収集を行い、より多様な手法を適用するとともに、検討対象の深化を進める。
室内環境における音源の位置検出、識別、そしてそれらの情報による環境推定、人の行動推定に適用し、音環境の把握とそれに基づいた推定に適用し、その有効性を実証する。このために、音響関係の研究者との人脈を確保し、その意見を積極的に検討に取り組む。

備考

上記ホームページで、研究室の研究領域、研究テーマを掲載するとともに、研究業績として発表論文、マスコミへの露出(新聞掲載、テレビ放映)などを公開している。特に研究テーマに関しては、進捗ごとのデモ動画をアップし、閲覧者の理解を高めることに配慮している。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] EEPIS(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      EEPIS
  • [雑誌論文] スペクトラム拡散による音を用いたデータ伝送機能を具備する高精度屋内測位手法の提案と検証2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,森下 航平,五百蔵 重典,田中 博
    • 雑誌名

      測位航法学会論文誌

      巻: Vol.9,No.2 ページ: 7-16

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Feasibility Experiment on Position Estimation of Various Sound Sources in Indoor Environment2018

    • 著者名/発表者名
      T. Kadokura, S. Ioroi, and H. Tanaka
    • 雑誌名

      The Eighth International Conference on Ambient Computing, Applications, Services and Technologies

      巻: 8 ページ: 17-20

    • 査読あり
  • [学会発表] スペクトラム拡散を用いた屋内測位システムにおける拡散率と環境雑音に対する評価2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,五百蔵 重典,田中 博
    • 学会等名
      平成30年度測位航法学会全国大会
  • [学会発表] 室内環境における各種音源の位置推定のための一検討2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,五百蔵 重典,田中 博
    • 学会等名
      2018電子情報通信学会ソサエティ大会,B-18-1,p.285
  • [学会発表] 室内音源の位置推定のための受信時間差の測定と評価2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,五百蔵 重典,田中 博
    • 学会等名
      GPS/GNSSシンポジウム2018
  • [学会発表] 室内環境における各種音源の位置推定手法とその基礎的評価2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,川喜田 佑介,五百蔵 重典,田中 博
    • 学会等名
      電子情報通信学会 ASN研究会, ASN2018-73, pp.109-114
  • [学会発表] ニューラルネットワークを用いた室内アラーム音の識別とその報知システムの基本検討2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,渡辺 滉平,柳谷 吉風,須藤 康裕,田中 博
    • 学会等名
      電気学会 第77回情報システム研究会,IS-19-018,pp.91-96
  • [学会発表] ニューラルネットワークを用いた室内アラーム音の報知システムの提案2018

    • 著者名/発表者名
      門倉 丈,柳谷 吉風,渡辺 滉平,須藤 康裕,田中 博,小川 雛子,酒屋 尚子,小林 潤一郎
    • 学会等名
      2018電子情報通信学会総合大会,B-18-7,p.358
  • [備考] 神奈川工科大学 田中(博)研究室

    • URL

      http://www.tnklab.ic.kanagawa-it.ac.jp/tanakalab/index.htm

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi