研究課題
1) 効率的なワイヤレスセンサの2次元配置手法の確立ワイヤレスセンサーネットワークにおいては,センサ間の電波干渉や減衰による通信不良を低減するために,センサ間の最小距離と最大距離に制約がある.これまでセンサの配置手法に関しては,総当たり探索による手法のみであり,計算量が非常に大きい問題があった.そのため,サイズが大きい平面に対しては,実用上は制約を満たすセンサ配置を与えることは困難であった.最終年度では,サイズの大きな2次元平面に対して,制約を満たすセンサ配置を線形時間で高速に構築する手法とセンサ配置のパターン数の理論的評価を求めた.2) 最良な2次元平面の無ひずみデータ圧縮手法の確立構築した2次元のセンサ配置を含めて,与えられたセンサ配置を保存・伝送するためには,効率的な無ひずみデータ圧縮手法が方法が必要となる.そこで,本研究では,画像を含む一般的な2次元平面の無ひずみデータ圧縮手法を確立した.また,考案した手法が2次元の一般情報源に対して,最良であることの証明を行った.3) 1次元の反辞書データ圧縮法の改良上記の1)と2)については,その基盤として1次元の反辞書データ圧縮法(部分列数え上げ符号化法と等価)を用いている.この手法は,理論的には最良なデータ圧縮手法であることが示されている.しかし,実用上では,文字が2値アルファベット(ビット)の場合には,よい圧縮率が得られていたが,より一般的な場合である文字が多値アルファベット(例えばバイト)の場合には,圧縮率が悪い問題点があった.最終年度では,1)と2)の考察の中で得られた成果を適用して,圧縮に利用される重要な不等式の改良とソーティングを適用した分割表を利用した,実用的な多値アルファベットの反辞書データ圧縮法を確立した.この手法は,2値アルファベットの場合とほぼ同程度の圧縮性能を達成することを計算機実験により示した.
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IEICE Trans. Fundamentals
巻: E-103(6) ページ: accepted
Proceedings of 2019 IEEE International Symposium on Information Theory
巻: - ページ: 1512-1516
10.1109/ISIT.2019.8849534