研究課題
前年度までの研究から、ライフログ映像検索の精度を向上する必要があると考えられたため、本年度はライフログ映像検索の精度に最も大きく影響する、表情認識ならびに表情強度推定の精度向上を目指した。表情認識や表情強度推定の精度を向上するためには、適切な特徴量を用いることが重要であると考えられるため、表情認識や表情強度推定に使用する特徴量の改善を図った。具体的には、これまでに定めていた、眉・目・鼻・口の周辺の特徴点の位置関係から得られる16種類の特徴量の計算法を、従来のものより表情の変化を適切にとらえられるように改良した。基本6表情(怒り、嫌悪、恐怖、幸福、驚き、悲しみ)の表情認識実験を行い、改良を行った特徴量を用いた際の表情認識精度を評価したところ、怒り、嫌悪、悲しみといった、正確な識別が比較的難しいネガティブな表情の認識精度に改善が見られた。その他の表情に関しては、従来手法とほぼ同等の認識精度であった。また、各特徴量の有用度を算出し、各表情について、どのような特徴量が表情の識別や表情強度の推定に有効であるかを求め、有用ではないと判断された特徴量をいくつか取り除いても、認識精度にほぼ影響がないことを明らかにした。これにより、表情認識の効率を向上できる可能性を示した。以上の改良を行った表情認識手法を用いて、ライフログ映像から、基本6表情が表出しているシーンを検出し、ウェブブラウザを用いて、特定の表情が表出しているシーンを容易に検索・閲覧することを可能とした。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
International Journal of Software Innovation
巻: 8 ページ: 68-84
10.4018/IJSI.2020040105
Proc. of 20th IEEE/ACIS International Conference on Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computing
巻: - ページ: 221-226
10.1109/SNPD.2019.8935652