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2017 年度 実施状況報告書

微分幾何的性質に基づく曲線・曲面の生成

研究課題

研究課題/領域番号 17K00172
研究機関日本大学

研究代表者

吉田 典正  日本大学, 生産工学部, 教授 (70277846)

研究分担者 斎藤 隆文  東京農工大学, その他の研究科, 教授 (60293007)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード形状モデリング / 曲率・捩率 / 対数美的曲線 / 美的曲線・曲面
研究実績の概要

本年度は,デザイナにとって好ましい平面曲線を容易に生成することを目的として,曲率プロットを陽的多項式Bezier/B-spline曲線で指定し,それを積分することによって曲線を生成する多項式Bezier/B-spline弧長パラメータ曲線に関する研究を主として行った.Bezier/B-spline弧長パラメータ曲線は,対数美的曲線と比較して 曲線自体の美しさ(曲率対数グラフの直線性が必ずしも維持されない場合があるという意味において)は劣る場合があるが,より広い範囲のユーザ指定条件(G2 Hermite補間など)に対応し,かつ曲率変化の単調性を維持する ことが可能である.本年度の主たる成果を次に述べる.
・曲率プロットを陽的Bezier/B-spline曲線で指定し,G1およびG2 Hermite補間を行う基礎理論の構築を行ない,プログラムとして実装し,正しく動作することを確認した.
・G1 Hermite補間の条件を満足させながら,曲線上のcurvature comb上に表示された制御曲率を直接操作することによって,曲率を制御する手法を考案し,プログラムとして実装した.
・G2 Hermite補間に関しても,曲率変化の単調性を維持しながら,理論的に可能なG2 Hermite補間の様々な条件に満足する曲線を生成できることを確認した.
・G2 Hermite補間に関して,与えられた補間条件のもとで,理論的に可能な範囲のうちどれだけの領域をカバーできるのかを調べる実験を行なった.
また,曲線セグメントが与えられた条件の元で一意に求まるのかどうか,G2 Hermite補間の条件が与えられた時に曲率の単調性を維持するような制御曲率を自動的にどのように求めるのかなど,今後の課題を見出すことができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の主たる目的としていたB-spline曲率関数に基づく曲線生成について,理論を構築し,プログラムとして実装することができた.また,実験で確認した範囲では,(曲率の単調性を保ちながらも)非常に広い範囲のG2 Hermite補間を行うことができることなどが確認でき,概ね順調に進んでいる.

今後の研究の推進方策

平成30年度は,弧長パラメータ曲線を平面曲線から空間曲線に拡張するともに,平成29年度に見出された今後の課題について解決できないかを検討する.研究代表者と研究分担者は,対数美的空間曲線を用いたG1 Hermite補間手法を提案しているが,曲率及び捩率に対する強い拘束から,両端点での曲率を指定するG2 Hermite補間には適用は困難であった.そこで,平成29年度の研究を曲率及び捩率を陽的多項式(B-spline)曲線で指定し,空間曲線を生成する手法に関する研究を行う.曲率および捩率を陽的多項式曲線で指定し,初期条件を与えれば,Frenet-Serretの式を用いて空間曲線を生成することは困難ではない.しかしながら,G1 (or G2) Hermite補間を行うには,2段階の最適化が必要であると現段階では予測している(対数美的曲線では1段階の最適化であった).より効率化できないかなどの理論的研究を行うとともに,理論の実装を行う予定である.また,曲面生成に関する研究も継続して行なって行く.

次年度使用額が生じた理由

今年度,研究に必要な設備などは従来のものなどを利用できたことから,計画したどおりには必要とならなかった.最新のコンピュータの購入や国際会議での発表のための旅費などを次年度以降に残したい状況が生じたため,次年度使用額が生じた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] University of Cantabria(Spain)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      University of Cantabria
  • [国際共同研究] Seoul National University/Keimyung University(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      Seoul National University/Keimyung University
  • [雑誌論文] Cuckoo Search Algorithm with Levy Flights for Global-Support Parametric Surface Approximation in Reverse Engineering2018

    • 著者名/発表者名
      Iglesias Andres、Galvez Akemi、Suarez Patricia、Shinya Mikio、Yoshida Norimasa、Otero Cesar、Manchado Cristina、Gomez-Jauregui Valentin
    • 雑誌名

      Symmetry

      巻: 10 ページ: Article 58

    • DOI

      10.3390/sym10030058

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Visualization and analysis of regions of monotonic curvature for interpolating segments of extended sectrices of Maclaurin2018

    • 著者名/発表者名
      Rushan Ziatdinov, Norimasa Yoshida and Tae-wan Kim
    • 雑誌名

      Computer Aided Geometric Design

      巻: 56 ページ: 35-47

    • DOI

      10.1016/j.cagd.2017.06.003

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Arc Length Parameterization Curves based on Explicit Polynomial B-splines2017

    • 著者名/発表者名
      Norimasa Yoshida, Takafumi Saito
    • 学会等名
      Conference on Geometry: Theory and Applications (CGTA)
    • 国際学会
  • [学会発表] Visualization and analysis of regions of monotonic curvature for interpolating segments of extended sectrices of Maclaurin2017

    • 著者名/発表者名
      Rushan Ziatdinov, Norimasa Yoshida, Tae-wan Kim
    • 学会等名
      International Conference on Systems of Design, Technological Preparation of Manufacture and Management Phases of the Life Cycle of Industrial Products (CAD/CAM/PDM-2017)
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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