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2017 年度 実施状況報告書

微分位相解析に基づく高度可視化環境の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K00173
研究機関東京工科大学

研究代表者

竹島 由里子  東京工科大学, メディア学部, 准教授 (20313398)

研究分担者 藤代 一成  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00181347)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード可視化 / 微分位相解析 / 特徴解析
研究実績の概要

数値計算結果の解析には可視化が広く用いられてきている.しかし,意味のある可視化結果を得るためには,適切に可視化パラメタ値を設定することが大変重要であるが,未だそれらの処理は手動で行われており,適切な可視化結果の獲得が保障されていないばかりか,誤った解釈を促進する可能性もある.そのため,ユーザの技量に関係なく,適切な可視化パラメタ値を包括的に設定する方法が必要不可欠である.そこで本研究では,対象データの特徴を解析し,自動的に可視化パラメタ値を決定する高度可視化環境の構築を目指す.
本年度は,代表的な可視化技法であるボリュームレンダリングの可視化パラメタである伝達関数の自動設計に着手した.伝達関数は,数値計算などで得られた物理値を色や不透明度に変換する関数であり,伝達関数の質により,可視化結果から得られる情報が大きく変化してしまう.そこで,対象データの局所的および大局的特徴量を併せ持つ,微分位相構造に基づいて,伝達関数を自動的に設計する方法を提案した.具体的には,連続する物理値の等値面が同相であれば,同相区間とし,全体に対する同相区間の領域の体積に基づいて,不透明度を決定することとした.これは,体積が大きい領域ほど,レイが通過する領域が長い可能性が高いことに基づいている.実際に,レイが通過する長さを計算した場合,計算量が多くなってしまうが,体積に基づいた場合,一度,それぞれの同相区間の体積を求めてしまえば,視点移動などを行った場合の再計算が不要になる.また,カメラパラメタ値の自動設定に関しては,異なる同相区間がよりわかりやすく観察できる位置,すなわち,遮蔽が起こりにくい位置をエントロピーを用いて算出するようにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度実施予定であった,ボリュームレンダリングにおける伝達関数設計の自動化,および,カメラパラメタ値設定に関しては,ほぼ終了している.しかし,より精度を上げるための検証実験は今後も継続する必要があるが,大きな修正を伴うとは考えていないため,総合的に判断して,おおむね順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

平成29年度は,ボリュームレンダリングに特化してパラメタ値の自動設定を行ったが,平成30年度は,それらの結果に基づき,個々の可視化技法固有のパラメタ値の自動設定を実現する.特に,広く利用されている断面生成,等値面化,流線描画などに特化して研究を進める予定である.
また現在,計算格子は規則的な格子のみを対象としているが,今後は非構造格子データにおいても同様の方法が利用できるように,非構造格子用の微分位相解析ツールの開発を平行して進める.

次年度使用額が生じた理由

(理由)
本年度は,東京近郊での学会が多かったため,大きな旅費の支出がなかったため残額が生じた.また,本年度は,研究の進捗と学会投稿の日程がうまく合わなかったため,学会での発表が行えなかった.
(使用計画)
次年度使用額及び翌年度分は、国際会議(IEEE Vis 2018、ベルリン開催 予定)旅費および参加費、研究打合せのための国内旅費(岡山)、研究論文投稿費として利用する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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