暗号技術は現代において通信データを秘匿するために広く利用されているが,それ以外に,電子化され保存されたデータの暗号化にも広く利用されている。データの暗号化は安全性の向上に大きく寄与する一方で,データの利便性にも大きな影響をもたらす。つまり暗号化したデータは復号しなければ利用できないが,コンピュータシステムへの侵入を完全に防止するのが困難な状況において,可能な限り暗号データを復号せずに利用したいという要請がある。本研究プロジェクトではそのような状況へ対応すべく,可能な限り暗号データを秘匿したまま様々な演算処理が可能な手法の実現に取り組んだ。
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