研究課題/領域番号 |
17K00202
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩介 新潟大学, 脳研究所, 特任准教授 (30345516)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 聴覚 / 進化 / 霊長類 / 言語 / 音楽 |
研究実績の概要 |
本研究に先行する研究課題(挑戦的萌芽「音楽の進化心理学:事象関連電位研究」)から続く技術改善の積み重ねにより、本年度は、サル類の頭皮上から無侵襲で脳波を記録するための方法に、画期的な進展があった。特許申請の可能性もあるため、詳細な記載は控えるが、この新しい方法では、これまでの数分の一の時間で電極の設置が可能となり、同時に、(これまでは困難であった)数時間に渡る安定した脳波記録も可能となった。この方法は、アカゲザルやマーモセットのほか、他の動物にも適用できる、一般的なものである。 この新しい方法論により、実験の効率が格段に向上した。早速、聴覚の時間窓の進化を調べるための実験を、アカゲザルとマーモセットで実施し、データを解析している。具体的には、まず、これまで安定した脳波記録が困難であったマーモセットにおいて、頭皮上CAEP(cortical auditory evoked potential)の波形や成分の詳細な解析を行なった。その上で、様々な持続時間の純音に対して、ヒトとアカゲザルとマーモセットのCAEPの振幅がどのように変化するか評価し、これらの種の聴覚処理の時間統合窓の種差を調べている。ヒトとアカゲザルで行なった実験については、学術誌に投稿中である。マーモセットで行なった実験については解析中であり、その一部については令和元年に学会発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までは、マーモセットの無侵襲脳波記録につき技術面でやや苦労をしていたが、本年度の成果によりそれが解消され、研究がスムーズに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的である聴覚の時間窓の種差について、ヒト、アカゲザル、マーモセットの3種比較を実施し、最終的な結果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は4,749円と少額であり、計画通りの使用である。
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