| 研究課題/領域番号 |
17K00215
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| 研究機関 | 立命館大学 |
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研究代表者 |
永井 聖剛 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (00415720)
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| 研究分担者 |
西崎 友規子 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 講師 (60705945)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 認知運動システム / 筋活動調整 / 高次認知情報処理 / リハビリ・トレーニング |
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| 研究実績の概要 |
知覚・認知情報処理と運動反応や筋運動との関係はほとんど研究されておらず，その詳細は明らかになっていない。本研究では１）知覚・認知が筋運動に与える影響，２）筋運動が知覚・認知および高次の社会的認知や思考に与える影響を明らかにすることを目的とする。研究成果から知覚，思考，運動出力システムにおいて多様な情報が抽象化された共通次元で表現され，相互に影響することを示し，「Theory of Magnitude」や「身体化された認知」を拡張した新たな情報処理モデルの構築に寄与する。昨年度までは提示刺激の強度によって筋活動が変化するかについて検討を行い，最大筋力の大きさは観察する刺激の大きさで変わらないが，筋力を発揮している時間が長い（握力データの積分値が大きい）ことを明らかにした。こられの実験計画は科研費プロジェクトの根幹を成すものであった。今年度は身体と認知情報処理との関係について，より高次な影響について検討を行った。具体的には，歩行を行う際の歩幅の大きさが判断の大胆さに通じるか，仮想現実空間で体験する「温かさ」が心理的な温かさ判断に影響するかを検討した。実験の結果，大きい歩行では大胆な判断傾向が生じ，仮想的な温かさが現実世界における他者パーソナリティの温かさ判断をより強く生じさせることが示唆された。
これら成果から，観察刺激によって筋力発揮時間が長くなるという，リハビリテーションや筋トレーニングに有効な知見，また，身体運動やバーチャルな温熱感覚によって高次の心理判断が影響されることを示したといえる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究においては，身体運動や身体感覚が，大胆さ，パーソナリティ判断等の高次認知情報処理にまで影響することを示した点は順調に研究計画が進捗しているといえる。しかし，より基礎的な身体と認知との関連についての実験結果の集積が必要であると考える。例えば，聴覚刺激と運動反応との関係，ダイナミックに変化する刺激提示と運動反応との関連などである。また，持続的な運動（サイクリングのペダリング動作）による認知情報処理の変化については，ペダリング負荷装置のコントロールが適切に行えないという技術的な問題によって実施予定の実験進捗が遅れている。
尚，精密な刺激提示統制のために高スペックのPCを購入予定であったが，負荷装置が不適切であるという問題が表面化し，当該問題を先に解決することが先決であり，PC購入は2018年度内には行うことができなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
認知と身体との関係についての基礎的な実験，および持続的な運動が認知情報処理に与える影響について予定されていた計画に追いつくため，2019年度は実験実施を加速して行うこととする。まずは，ペダリング負荷のコントロールの技術的問題を解決し，その後，すみかに基礎的実験を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
先項で指摘の通り，精密な刺激提示統制のために高スペックのPCを購入予定であったが，負荷装置が不適切であるという問題が表面化し，当該問題を先に解決することが先決であり，PC購入は2018年度内には行うことができなかった。したがって，負荷装置の問題を解決した後に，2019年度内に速やかにPCを購入し，また，実験実施にウェイトを置いた予算配分を行う予定である。
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