私たちは目を閉じてストップウォッチを5秒や10秒でだいたい止めることができる。これは脳にいわば「脳内ストップウォッチ」があることを示唆する。申請者はサルに時間の長さを区別する課題をトレーニングし、その課題をしている間に前頭葉のニューロンの活動を単一ニューロンレベルで記録する実験を行った。その結果、前頭葉の運動前野や前頭前野という脳領域で、一定の時間が経過した後に一時的に活動が強くなるニューロンや、時間の呈示が終わった後に時間の長さを符号化するような活動を示すニューロンなど、時間を区別する課題に関連した多様な活動パターンのニューロンを発見することができた。
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