製造業などでは、製品開発者が「音を聞き判別する能力」を持つことの必要性が認知され始めており、聴能形成の導入を検討する企業も増えつつある。本研究の直接的な成果は、その担当者と学習者の双方に負担のない聴能形成システムが提供できることである。聴能形成の訓練の成果の本質は、音を聞き分ける能力の獲得もさることながら、その能力を得た者同士が音に関する共通の言語を用いて意思疎通ができるようになることにある。つまり音の特徴を感覚的な言葉で表現するのではなく物理尺度に即した単位で表現ができるようになることで、誤解のない情報伝達が可能になる。その効果的・効率的な訓練方法につながる研究を行ったものである。
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