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2017 年度 実施状況報告書

モノーラル立体音再生システム

研究課題

研究課題/領域番号 17K00244
研究機関富山県立大学

研究代表者

平原 達也  富山県立大学, 工学部, 教授 (80395087)

研究分担者 森川 大輔  富山県立大学, 工学部, 講師 (70709146)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード音像定位 / 単耳受聴
研究実績の概要

平成29年度は、単耳受聴条件の音像定位と移動する音像軌跡を測定する実験システムを整備し、健聴者10名が片耳を耳栓で閉塞して、受聴時に頭部を静止した場合の音像定位実験と受聴時に頭部を±60°回転させた場合の音像軌跡と頭部を10°ごとに水平回転したときの音像方位を測定した。
まず、片耳を耳栓で閉塞しても、刺激音の音圧レベルが十分に低くない(耳栓を装着したときの可聴閾値)と単耳受聴状態にならず、両耳受聴時と同様に水平面音像定位は可能であった。すなわち、両耳間レベル差が40 dB以上ある場合でも両耳間時間差を利用して音像を定位していることが示唆された。次に、刺激音の音圧レベルを耳栓装着時の可聴閾値よりも10 dB以上低くすると単耳受聴状態になり、そのときの音像はすべて開放耳側の半面に定位することがわかった。また、単耳受聴状態で頭部を回転させると音像は頭部回転に伴って開放耳半面で動き、閉塞耳半面にある音源が開放耳半面に来るように頭部を回転した場合に音像が大きく動くことがわかった。なお、この頭部運動に伴う音像の移動角度は受聴者によって大きく異なることもわかった。
他人のダミーヘッドを用いたテレヘッドを用いてバイノーラル収録した刺激音の片チャンネルだけをヘッドホン再生した場合も、ダミーヘッドを回転させると音像は頭部回転に伴って開放耳半面で動き、閉塞耳半面にある音源が開放耳半面に来るようにダミーヘッドを回転した場合に音像が動いたが、音像の移動角度は実耳受聴の場合よりも小さかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画のとおり実験システムを整備し、音像定位実験をすすめ、単耳受聴時の音像定位実験データが得られている。ただし、受聴者によって頭部運動時の音像軌跡データのばらつきが大きく、実験方法や実験手順などを再検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、受聴者によって頭部運動時の音像軌跡データのばらつきが大きことが実験方法や実験手順などに起因するアーティファクトなのか否かを確認する。その上で、動的聴覚ディスプレイを用いた単耳受聴時の音像定位実験を行う。まず、受聴者のHRTFを計測し、受聴者に共通するHRTFのスペクトル的特徴と受聴者に依存するHRTFのスペクトル的特徴を明らかにする。また、音像定位実験結果と比較することによって、それらのスペクトル的特徴のどの部分が単耳受聴時の音像定位に利用されているかを明らかにする。そして、そのスペクトル的特徴を変形したHRTFを用いて合成した動的モノーラル信号を動的聴覚ディスプレイで再生して音像定位実験を行い、変形したスペクトル的特徴が単耳受聴時の音像知覚に寄与していることを確認する。
平成31年度は、前年度までに得られた実験結果を統合して耳受聴時の音像定位に用いられる音響的特徴を確定し、モノーラル立体音再生システムの設計指針を定め、そのシステムのプロトタイプを構築し、性能を評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Monaural sound localization under conditions of active head rotation2018

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Hirahara, Daiki Kojima, Daisuke Morikawa
    • 学会等名
      The New Zealand/Japan Joint Research Meeting on Psychological & Physiological Acoustics and Electroacoustics
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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