研究課題/領域番号 |
17K00252
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
岩堀 祐之 中部大学, 工学部, 教授 (60203402)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | コンピュータビジョン / Shape from Shading / 内視鏡画像 / CNN / シーン分類 / 血管検出 / ポリープ検出 / 良性・悪性分類 |
研究実績の概要 |
内視鏡画像におけるポリープの大きさを推定するために,縫合糸の画像と内視鏡を奥行方向に微小移動させた2枚の画像から、縫合糸の対応付けを行うことによって内視鏡の奥行方向移動量を推定し、全体の反射率を推定することで絶対的な大きさを推定する方法を研究してきた。縫合糸では有用性も限定されるため、さらに血管を自動検出する手法を検討することで、抽出した血管から相応しい対応関係にある点を探索して内視鏡の移動量、反射係数、さらにはポリープの絶対的な大きさを求める手法を研究した。 縫合糸の代わりに血管を対象とし,その自動検出を行う上では、内視鏡動画像は染色液をかけた画像などでシーンが変わるため、機械学習を用いて内視鏡画像のシーン分類を行ったのちに、血管画像を精度良く抽出する方法を開発した。眼球の血管領域抽出を目的とするFrangi Filterを腸の血管領域抽出に応用した手法を利用し,白色光源下の内視鏡画像に対して血管領域の抽出を行った。 また,ポリープの検出精度向上を目的として,一般物体認識を目的として学習を行なったConvolutional Neural Network(CNN)を利用,内視鏡画像を用いてFine-Tuningを行うことで,十分な学習データを用意できない環境でもCNNで高精度なポリープ検出を行う方法を開発した。 ポリープの検出と並行して検出されたポリープが良性か悪性かをラベル付けし,白色光源,染色液,NBI (Narrow Band Image)と3種類の画像を用いて一般物体認識用のCNNで特徴抽出を行い,SVM で良性・悪性の2クラス分類を行う手法を研究した。SVMは3種類の画像を利用する有効性を検討するため7種類個別に用意した結果,3種類を用いた投票処理による判定が有効であることを確認した。 別途,顕微鏡細胞画像から機械学習により細胞核の自動抽出を行う手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的に基づいて検討を行いながら研究を遂行しており,得られた知見や結果に関する研究発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
これまで研究してきた形状復元・ポリープの検出(識別)に加えて、データの量を増やしてポリープの検出・学習を行いながら、ポリープの状態分類を行う。学習はポリープの凹凸形状、ポリープの大きさ、ポリープの状態、ポリープの色情報などを入力としてポリープの状態を出力とし、様々なテストデータとともにその評価を行う予定である。 ポリープ候補領域の検出精度向上とともにレベル分類の手法を開発していくとともに,実際の医療現場で総合的な内視鏡診断支援システムを目指して研究を進める予定である。 細胞画像の検出と細胞核の分類についても病理診断の精度を上げることを目標に研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)パソコンの購入にあたり,予定していた経費よりも値引きとなったことと,平成29年度の研究が効率よく進んだ結果,余剰額を次年度に繰越することとなった。
(使用計画)次年度の研究において物品購入,学会発表などで計画的に使用する予定である。
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